瓦のズレが引き起こす問題とは?見た目と機能性の違いと対策

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1.はじめに

日本の住宅において、瓦屋根は美観と機能性を兼ね備えた重要な要素です。瓦は、風雨や紫外線から建物を守り、適切に施工・維持されていれば高い耐久性を誇ります。建築基準法では、屋根の安全性や耐風・耐震性能について一定の基準が定められており、また、気象庁のデータによると、日本は地震や台風が多発するため、屋根材の耐久性や固定方法が住宅の安全性に大きく関わることが分かっています。

しかし、「瓦がずれている」との指摘を受けた際、それが単なる見た目の問題なのか、住宅全体の機能性に影響を及ぼす重大な問題なのか、判断に迷うことがあるでしょう。本記事では、瓦のズレがもたらす影響について、見た目と構造上の問題を区別し、具体的な事例や専門家の意見を交えて検証します。また、適切な修理方法や予防策についても解説し、住宅の安全性と美観を保つための指針を提供します。

2.見た目と構造上の問題:その違いを理解する

瓦のズレには、外観上の軽微なズレと、構造上の深刻なズレがあります。軽微なズレは、風や地震などの自然要因や経年劣化によって生じることが多く、見た目には影響を与えるものの、直ちに機能性に問題を引き起こすわけではありません。

構造上の深刻な瓦のズレは、防水性や耐久性に直接的な影響を及ぼし、雨漏りや断熱性能の低下などの問題を引き起こす可能性があります。例えば、2018年6月18日に発生した大阪府北部地震では、多くの住宅で瓦のズレや落下が確認され、屋根の損傷が拡大した事例が報告されています。特に、固定が不十分な瓦がずれ落ち、屋根の防水層が破損したことで雨漏りが発生し、結果的に家全体の修繕が必要となったケースもありました。

また、2019年9月に上陸した台風15号(房総半島台風)では、強風によって瓦が飛散し、近隣の建物や車両に被害を及ぼした事例も報告されています。

これらの事例は、瓦のズレや固定の不備が住宅の防水性や耐久性に深刻な影響を与えることを示しており、定期的な点検と適切な補修の重要性が強調されています。

このように、瓦の構造上の深刻なズレが放置されると、次の地震や台風で重大な被害を招く可能性があります。専門家は、瓦のズレが見た目だけの問題か、構造的な問題かを判断するためには、定期的な点検と早期の対応が不可欠であると指摘しています。特に、日本の気象条件を考慮すると、台風シーズン前や地震発生後には、専門業者による屋根の点検を受けることが推奨されます。

 

3.瓦のズレが住宅の機能性に及ぼす影響

瓦のズレは、住宅の防水性能、断熱性能、耐久性に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、日本は台風や梅雨など降水量が多く、瓦のわずかなズレでも雨水の浸入を招きやすい環境にあります。

防水性能への影響

瓦がずれると、本来屋根下地を保護する防水シート(ルーフィング)が露出し、劣化が早まります。国土技術政策総合研究所の調査によれば、屋根や外壁などの外皮構造が建物本体の耐久性に大きく関係しており、特に雨水の浸入が木造住宅の劣化要因となることが指摘されています。

また、2019年の台風15号(房総半島台風)では、瓦のズレを放置していた住宅で大量の雨水が侵入し、天井や壁がカビや腐食で深刻な被害を受けた事例が報告されています。

これらの事例から、瓦のズレが防水性能の低下や雨漏りのリスクを高めることが明らかです。特に築年数が経過した住宅では、定期的な点検と早期の修繕が重要となります。

断熱性能への影響

瓦のズレや欠落があると、屋根内部の断熱材が露出し、断熱性能が低下します。これにより、冬は屋根からの冷気が直接室内に伝わり、夏は太陽熱の影響を強く受けるため、冷暖房効率が大幅に低下します。日本建築学会の研究によると、適切な屋根断熱が行われていない住宅では、冷暖房費が最大20%増加する可能性があるとされています。実際に、ある住宅では瓦のズレを放置した結果、冬場の室温が3~5℃低下し、エアコンの使用量が増加したというデータもあります。

 

耐久性への影響

瓦のズレが放置されると、屋根下地や構造材が雨水を吸収し、腐朽やサビの原因になります。国土交通省の報告では、雨漏りを放置した屋根は5~10年以内に深刻な構造劣化を引き起こすとされており、最悪の場合、屋根全体の改修が必要になり、多額の修繕費が発生します。例えば、ある築30年の住宅では、瓦のズレを放置したことで屋根内部が腐食し、全面葺き替え(費用約200万円)が必要となったケースがありました。

 

4.改善策と適切な修理方法

瓦のズレを発見した際には、早期の対応が重要です。見た目に現れる小さなズレでも、放置すると大きな問題に発展する可能性があるため、専門家による点検を受けることをおすすめします。修理方法としては、部分補修と全面改修があります。部分補修は、ズレや破損が限定的な場合に行われ、特定の瓦の再設置や交換を行います。この方法はコストが抑えられるメリットがありますが、他の部分にも劣化が進行している場合は、再度修理が必要となる可能性があります。一方、全面改修は、屋根全体の瓦を新しいものに交換する方法で、長期的な耐久性が期待できますが、費用が高くなる傾向があります。修理費用は、部分補修であれば数万円から、全面改修では数百万円に及ぶこともあります。信頼できる業者を選ぶ際には、過去の施工実績や口コミ、資格の有無などを確認し、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。また、定期的な点検を行い、早期に問題を発見することで、大規模な修理を避けることができます。特に築20年以上の住宅や、過去に地震・台風を経験した屋根は、定期的な点検と早期の修理が不可欠です。専門家は、最低でも5年に1回の点検を推奨しており、台風や地震後は早急にチェックを行うことが望ましいとされています。

 

5.まとめ

瓦のズレは、見た目だけでなく、住宅の防水性、断熱性、耐久性に深刻な影響を及ぼす可能性があります。軽微なズレであっても、放置すると大きな問題に発展することがあるため、定期的な点検と早期の対応が重要です。適切な修理方法を選択し、信頼できる業者に依頼することで、住宅の安全性と美観を保つことができます。住まいの快適性と長寿命化のために、瓦の状態を定期的に確認し、必要なメンテナンスを行いましょう。

 


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