屋根に使用される建材によっては、施工時に必ず塗装が施されます。
その屋根塗装をメンテナンスとして定期的に行うことは、屋根の機能維持のために必要なことなのかについて過去の記事で解説しました。
結論としては「必ずしも必要ではない」という見解ですが、詳しくは以下の記事をご覧ください。
今回の記事では、機能維持ではなく美観維持のための屋根塗装について取り上げています。
美観維持のための屋根塗装
防水機能をはじめとした屋根の機能維持のためには、屋根塗装は必ずしも必要ではありません。
しかし屋根の美観維持という観点では、屋根塗装は十分有効です。
屋根は常に雨風にさらされているため、経年とともに色褪せや苔などが発生してしまいます。
上記の写真は、経年によって汚れや色褪せが発生したスレート屋根です。
メンテナンスで屋根塗装をする際は、洗浄したうえで塗料を塗り直します。
また劣化していなかったとしても、好みの変化に合わせてリフォームで色を変えることもいいでしょう。
屋根塗装が必要なケース
塗装が必要な屋根材の種類
塗装の必要有無は、屋根に使用されている建材によって決まります。
塗装が必要な屋根材といえば、スレートやセメント瓦、トタン、ガルバリウム鋼板です。
これらは建築時に施された塗装が経年と共に色褪せてしまうため、当初の綺麗な状態を維持するためには定期的に塗装をし直す必要があると言われています。
反対に、粘土瓦は塗装の必要がありません。
粘土瓦はあとから色を変えることはないため、屋根の色で大幅に家の印象を変えることができる点は、塗装が必要な屋根材を使用するメリットのひとつとも言えます。
また塗料が持つ遮熱効果などによって、多少の屋根材補強にも貢献します。
それぞれの屋根材の特徴と相場
上の写真は、経年とともに汚れが目立つようになったスレート屋根です。
一言に屋根塗装が必要な屋根材とくくっても、それぞれに長所・短所があります。
主要な屋根材の特徴や相場を以下の記事にまとめているため、屋根材選びの際の参考にしてください。
美観を保つために必要な屋根塗装の頻度
屋根材ごとの適切な屋根塗装の頻度
スレート屋根
セメントや繊維質の材料を織り交ぜて作る板状の屋根材です。
10年に1回程度
セメント瓦屋根
セメントと砂を材料として作る、瓦のようなデザインの素材です。
10年に1回程度
トタン屋根
亜鉛でメッキ加工した薄い鉄板素材です。
7~8年に1回程度
ガルバリウム鋼板屋根
アルミニウムと亜鉛、シリコンによってメッキ加工された鋼板素材の屋根材です。
15年に1回程度
塗料ごとの適切な屋根塗装頻度
当然ですが、塗料によっても耐用期間が異なるため適切な塗装頻度が異なります。
以下は主要な4種類です。
アクリル樹脂塗料
4種類の中で最も安価な代わりに、最も耐久性の低い塗料です。
そのため近年はあまり使用されていないものの、頻繁に塗り替えて気分転換したい場合は適しています。
耐用年数:5~8年
ウレタン樹脂塗料
アクリル樹脂塗料の次に安価で耐久性の低い塗料です。
光沢があり、汚れがつきづらいという特徴があります。
耐用年数:7~10年
シリコン樹脂塗料
汚れだけでなく紫外線にも強くカラーバリエーションも豊富で、現在最も使用されている塗料です。
ウレタン樹脂塗料より高価ではあるものの、価格と耐久性のバランスの良い塗料とされています。
耐用年数:10~13年
フッ素樹脂塗料
一般家庭で使用される塗料の中では、非常に高級な塗料です。
シリコン樹脂塗料と同様に汚れや紫外線に強く、光沢もあります。
耐用年数:15~20年
屋根塗装の工事の流れ
足場の設置
高所作業となるため、屋根に上るためや安全性を高めるに足場を設置します。
また周囲を塗料の飛散を防ぐメッシュシートで囲います。
高圧洗浄
屋根に付着しているカビやコケ、古い塗膜などを洗い流します。
下地補修
クラック(ひび割れや亀裂)や欠けた部分があれば、コーキング材を注入して補修します。
また、錆びを落として金属部分に細かなキズをつけるケレン作業を行います。
細かいキズをつけることで、塗料の密着力を高める効果があります。
特にトタン屋根においてはこのケレン作業が非常に重要です。
下塗り・中塗り・上塗り
外壁塗装と同じように、シーラーやプライマーと呼ばれる下塗り材を塗布したのち、上塗り塗料を2回塗ります。
屋根材の傷みが重度な場合は下塗りを2回行うこともあります。
下塗り、中塗りでそれぞれ乾燥時間が必要なため、工事期間は2日以上に渡る場合がほとんどです。
縁切り
スレート屋根の塗装では、必ず行われる重要な工程です。
スレート材同士の重なり部分には隙間があり、屋根材の下に入り込んでしまった雨水が流れ出る仕様になっています。
しかし塗装をすることでその隙間が塗料で埋まってしまうため、カッターなどで隙間を塞いでいる塗膜を切る必要があるのです。これを縁切りと言います。
隙間が埋まってしまうと、入り込んだ雨水を排出することができずに雨漏りの原因となってしまうためです。
点検・手直し
最終点検をして、適宜手直しを行います。
足場解体・清掃
最初に設置した足場を解体して、清掃や不要建材の廃棄をして終了です。
まとめ
美観を維持するために必要な屋根塗装頻度は、使用する屋根材や塗料によっても異なります。
勿論、お住まいの地域の気候によっても異なるでしょう。
屋根塗装にどの程度手間や時間・予算を割けるかは個人差があると思います。
屋根塗装は定期的に行わなければ雨漏りに直結するようなものではないため、是非ご自身のライフスタイルに合う頻度で行ってください。
棟の修理・点検の事なら、屋根の専門家にお気軽にご相談を
どんな些細なご不安でもまずはご相談ください。
お問い合わせエリアに応じて、創業80年以上の実績と経験のある我々が対応させていただきます。
お問い合わせフォームまたは下記電話よりご連絡ください。
東京エリア:株式会社石川商店(03-3785-1616)
神奈川エリア:株式会社いらか(0463-34-3501)
山梨エリア:有限会社一ノ瀬瓦工業(0120-492-901)
(上記エリア以外でも、対応可能な場合もあります)
対応が難しいエリアの場合は信頼できる全国の屋根屋さんを紹介させていただきます。
屋根のてっぺんリフォームとは
東京・神奈川・山梨の創業80年を超える老舗瓦屋3社による、屋根のてっぺんにある棟(むね)についての情報発信サイトです。
建物の中でも非常に重要な役割を持つ棟ですがその認知度は低く、気付いた時には取り返しのつかない事態になった家を瓦屋として多く見てきました。
また認知度の低さを悪用した悪徳業者も増えており、その被害は年々増加しています。
被害を未然に防ぐことが、老舗瓦屋としての使命と思い同じ志を持った3社共同で運営しております。