屋根の下地に使われる木材「野地板」の役割や注意点、メンテナンスについて

ブログ

「野地板」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。

野地板とは簡単に言うと屋根の下地に使用される木材で、「のじいいた」と読みます。

今回の記事ではこの「野地板」や屋根の下地の重要性およびメンテナンスについてお話しします。

「野地板」とは

野地板

施工されている位置

瓦屋根やスレート屋根、いずれの屋根材を使用した屋根も下地という部分があります。

屋根の骨組みである垂れ木の上に木材の板を敷き、さらにその上にルーフィング(防水シート)や屋根材を重ねていきます。

この垂れ木の上に敷く木材の板が「野地板(のじいた)」です。

野地板には構造用合板が使用されることが増えています。

構造用合板とは、丸太を大根のかつら剥きのように薄く切り乾燥させて作ったベニヤ板を複数枚貼り合わせたものです。

繊維方向が交差するようにベニヤ板を貼り合わせるため、縦方向・横方向どちらの衝撃にも強く仕上がります。

「野地板」の役割

野地板の最大の役割は、屋根材をしっかりと固定させることです。

強風などが発生しても屋根材が飛ばないよう固定させるためには、野地板の存在が不可欠と言えます。

また最近の野地板は強度が高いため、耐震性を向上させるという役割も果たしています。

そのため野地板に使用される板はなんでもいいわけではなく、一定の条件を果たしている必要があります。

そのひとつが”厚さ”です。

野地板には主に厚さ12㎜以上の「構造用合板」もしくは「杉のバラ板」を使用します。

構造用合板と混同される建材

コンパネ(コンクリートパネル)

コンパネとはコンクリートパネルの略で、コンクリートの型枠として使用されるものです。

見た目が構造用合板によく似ていることや、型枠合板とも呼ばれ名前も似ていることから、コンパネと構造用合板は混同されることもあります。

しかしコンパネと構造用合板はまったく別物であり、製品によって差はあるものの基本的に構造用合板の方が強度が高いです。

普通合板

普通合板は構造用合板と同じく合板の一種です。

しかし材料に違いがあり、硬く強度のある針葉樹を使用して作る構造用合板に対して普通合板は柔らかく加工のしやすい広葉樹を使用します。

普通合板は主に内装に用いる合板のため、屋根の下地にするには強度に不足します。

悪徳業者に注意

粗悪工事

屋根の下地である野地板にコンパネや普通合板を使用するような業者は避けましょう。

素人では用語を見てもわからないだろうと、見積書にも堂々と記載したうえでコンパネや普通合板で代替するような悪徳業者もいます。

これは一般的にコンパネや普通合板の方が構造用合板よりも安価であることが起因しています。

また、代替ではないものの標準より薄い(9㎜程度の)構造用合板を使用する悪徳業者もいます。

こちらも上記と同様、薄い方が安価であることが理由ですが野地板としては12㎜以上の厚さが必須です。

「野地板」の経年劣化

「野地板」の寿命

野地板にも当然寿命があり、経年とともに徐々に劣化していきます。

野地板の寿命はその上に使用している屋根材に大きく左右されます。

理由は、断熱効果の有無や結露の発生しやすさなどが野地板の寿命に影響を与えるためです。

瓦屋根の野地板が40~50年程度、スレート屋根や金属屋根の野地板が30~40年程度と言われています。

「野地板」の経年劣化事例

野地板の最大の劣化は腐食です。

腐食は様々な要因で起こり得るものの、例えばスレート屋根や金属屋根であれば屋根材を固定している釘の浮きです。

釘の浮きにより雨水が内部に侵入し徐々に浸透した結果、湿気で野地板の腐食が発生するケースがあります。

つまり雨漏りを放置することは野地板の腐食に繋がるということです。

また屋根裏の結露も野地板の腐食を進行させます。

「野地板」のメンテナンス

「野地板」の点検はプロに任せる

屋根屋 職人

野地板にも経年劣化が発生するとはいえ、どのように状態を確認すればいいのか気になる方も多いと思います。

しかしこれは素人が確認することは困難で、専門業者に点検を依頼しましょう。

内部に隠れている野地板ですが、経験を積んだ職人であれば外部から押した感触等で劣化の程度をある程度測ることができます。

また屋根裏から状態を確認することができる場合もあります。

「野地板」の寿命を伸ばすには

断熱効果の高い屋根材を使用する

野地板の寿命および腐食に大きな影響を与えるものは結露です。

この結露は屋内外の温度差によって発生するため、断熱効果の高い屋根材を使用することによって結露の発生を抑えることができます。

断熱材と一体型になった屋根材もあるため、そういったものを使用することも良いでしょう。

換気棟を設置する

換気棟

換気棟とは屋根のてっぺん部分に設置し屋根裏にこもりがちな湿気や熱気の排出および外気との入れ替えを行う換気部材です。

換気棟を設置することによって、上記と同様に結露を抑えることができます。

換気棟の役割や設置するうえでの注意点などは以下の記事で解説しています。

家の換気装置!屋根のてっぺんに設置する【換気棟】の役割を紹介
換気棟とは、屋根裏にこもりがちな湿気や熱気の排出および外気との入れ替えのために屋根の棟に設けた、換気部材のことです。換気棟を設置することで屋根裏に溜まりがちな熱気や湿気を外に排出することで、家の寿命を延ばすことができます。

まとめ

野地板を含み屋根は定期的なメンテナンスが必要不可欠です。

どこに依頼したらいいか迷われている方はぜひ我々、屋根のてっぺんリフォームにご連絡ください。

東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県・山梨県の対応が可能です。

以下フォームよりお気軽にお問合せください。

お問い合わせ

棟の修理・点検の事なら、屋根の専門家にお気軽にご相談を

どんな些細なご不安でもまずはご相談ください。

お問い合わせエリアに応じて、創業80年以上の実績と経験のある我々が対応させていただきます。

お問い合わせフォームまたは下記電話よりご連絡ください。

東京エリア:株式会社石川商店(03-3785-1616

神奈川エリア:株式会社いらか(0463-34-3501

山梨エリア:有限会社一ノ瀬瓦工業(0120-492-901

(上記エリア以外でも、対応可能な場合もあります)

対応が難しいエリアの場合は信頼できる全国の屋根屋さんを紹介させていただきます。

屋根のてっぺんリフォームとは

東京・神奈川・山梨の創業80年を超える老舗瓦屋3社による、屋根のてっぺんにある棟(むね)についての情報発信サイトです。

建物の中でも非常に重要な役割を持つ棟ですがその認知度は低く、気付いた時には取り返しのつかない事態になった家を瓦屋として多く見てきました。

また認知度の低さを悪用した悪徳業者も増えており、その被害は年々増加しています。

被害を未然に防ぐことが、老舗瓦屋としての使命と思い同じ志を持った3社共同で運営しております。