日本の伝統的な屋根材のひとつ「陶器瓦」の魅力とは!特徴やメンテナンス

美しい艶と高い耐久性を持つ陶器瓦の魅力 ブログ

日本の伝統的な屋根材のひとつ「陶器瓦」は、高い耐久性や美しいデザインから多くの住宅で採用されています。しかし陶器瓦について詳しく知っている人は意外と少ないかもしれません。こちらの記事では、陶器瓦のメリット・デメリット、メンテナンス方法について詳しく解説します。

陶器瓦とは何か?

陶器瓦

陶器瓦は、粘土を成形し高温で焼き上げて作られる瓦である「粘土瓦」の一種です。その中でも釉薬を施し焼き上げるものを陶器瓦と言います。ガラス質の層が形成されるため、美しいツヤを持っている点が特徴です。日本の伝統的な家屋では古くから使用されており、その美しさと耐久性から人気があります。「釉薬瓦」や「日本瓦」とも呼ばれ、耐候性に優れた素材として知られています。製造過程で、粘土を型に入れ圧縮し1000度以上の高温で焼成することで、強度と防水性が向上します。そのため雨風への耐性が高く、長期間にわたって美しい外観を保つことが可能となっています。

粘土瓦とはなにか、陶器瓦以外にどのような種類があるのか、等気になる方はぜひ以下の記事をご覧ください。

【瓦の種類ガイド】素材ごとに特徴がある!魅力や費用を紹介
素材ごとの瓦の特徴を紹介しています。素材が異なると、見た目はもちろん耐久性やメンテナンス内容も異なります。瓦屋根を検討する際は、見た目の好みだけでなくご自身の生活スタイルや予算、居住地域の気候に合った素材を選ぶことをおすすめします。

 

陶器瓦の種類

和型(J型)

日本瓦 J型

和型は、日本の伝統的な家屋に用いられる波形の瓦で、重厚感と高級感を持ち合わせています。和型の瓦は、日本の美しい文化や歴史を感じさせるデザインで、多くの日本家屋の屋根に使用されています。その特徴的な波形は、雨水を効率的に排水する役割を果たし、日本の湿潤な気候に適しています。また、和型瓦はその重みと形状によって、建物全体に安定感をもたらす点も特徴です。特に歴史ある地域や伝統的な景観を保ちたい場所で好まれる選択肢の一つです。

平板型(F型)

日本瓦 F型

平板型瓦は、フランス瓦を基にした平らな形状の瓦で、和風・洋風の建物どちらにも適合します。フラットなデザインがモダンな印象を与え、現代的な建築スタイルに調和しやすいのが特徴です。このタイプの瓦は、滑らかな表面を持ち、さまざまな色や仕上げが可能であるため、設計者にとって柔軟な選択肢となります。平板型瓦は、シンプルで洗練された外観を求める住宅にピッタリで、特に都会の住宅や新築のプロジェクトで人気があります。

スパニッシュ型(S型)

スパニッシュ型瓦は、スペイン瓦に由来する形状で、地中海風の建物に適したデザインです。丸みを帯びた形が特徴で、太陽光を効果的に反射し、暑い地域での冷房効率を高めます。このタイプの瓦は、地中海スタイルや洋風建築にマッチし、そのエレガントなカーブが建物に独特の魅力を加えます。スパニッシュ型瓦は、外観に豊かさと動きをもたらし、リゾート地やリゾート風の住宅に理想的です。その耐久性と美しいデザインにより、多くの建築家に支持されています。

 

陶器瓦のメリット

陶器瓦のメリット

耐久性

陶器瓦は、50年以上の耐用年数を持ち、半永久的に使用可能です。耐候性と耐水性に優れており、衝撃を受けても破損しにくい特性があります。このため、一度設置すれば長期間にわたり交換の必要がありません。

メンテナンス性

表面に釉薬を施しているため撥水性が高く、塗装などの定期的なメンテナンスが不要です。割れたりヒビが入った場合でも、部分的な交換が可能で、修理が簡単です。

デザインの豊富さ

釉薬により多様な色やツヤを表現でき、50種類以上のカラーバリエーションを持つ製品もあります。これにより、建物の外観に合わせた自由なデザイン選択が可能です。

 

陶器瓦のデメリットと注意点

陶器瓦

重量と耐震性

陶器瓦は重量があるため、建物にかかる負荷が増し、耐震性に影響を与える可能性があります。特に軽量な金属瓦やスレート瓦からの葺き替えを考える際には、建物の耐震性を確認することが重要です。

コスト

陶器瓦は他の屋根材に比べて初期導入コストが高くなります。製品自体の価格に加えて、一枚一枚手作業で施工されるため、職人の労働費用もかかります。しかし、長期的に見るとメンテナンスコストが低く済むことから、トータルでのコストパフォーマンスは良いと言えるでしょう。

 

メンテナンスのポイント

メンテナンス

陶器瓦は基本的にメンテナンスが不要とされていますが、定期的な点検が重要となります。漆喰の劣化や瓦のズレをチェックすることで、雨漏りなどの問題を未然に防ぐことが可能です。また、地震や台風などの自然災害後には、瓦の状態を確認し、必要に応じて専門業者に依頼して修理を行うことが推奨されています。特に漆喰のひび割れや劣化は、棟瓦のズレを引き起こす原因となるため、早期の対応が鍵となります。

 

まとめ

陶器瓦は、その耐久性やデザイン性、そしてメンテナンスの容易さから、多くのメリットを持つ屋根材です。一方で、重量やコスト面でのデメリットも存在するため、自宅の状態を踏まえて慎重に選ぶことが求められます。陶器瓦を選ぶことで、美しく持続可能な屋根の実現につながります。判断が難しい場合は、専門業者と相談して自分に合った建築プランを見つけましょう。

 


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