立平葺きと瓦棒葺きの違いを徹底解説!それぞれのメリットとデメリット

それぞれの特徴を徹底解説 立平葺きと瓦棒葺き ブログ

屋根は建物の保護において非常に重要な役割を果たしており、どの工法を選ぶかどうかは建物の寿命やメンテナンスの頻度に大きく影響します。こちらの記事では、近年注目されている立平葺きと伝統的な瓦棒葺きの2つの屋根工法について、その特徴と違いを解説します。

立平葺きと瓦棒葺きの概要

立平葺きについて

立平葺きは金属屋根の一種で、ガルバリウム鋼板などの耐久性の高い金属を使用することが一般的です。この工法では、屋根材を縦方向に葺くことで継ぎ目が少なく済み、非常に高い防水性を実現しています。大型の建築物に採用されてきましたが、最近ではその優れた性能から戸建住宅にも広く用いられています。

瓦棒葺きについて

瓦棒葺きは伝統的な金属屋根の工法で、心木と呼ばれる木材を用いて金属板を固定します。屋根面には板金を張り、垂木を取り付けた後にキャップ状の板金を被せる構造です。この方法はコストが安価であり、長年にわたって多くの住宅で使用されてきたという歴史があります。

 

立平葺きと瓦棒葺きの違い

構造の違い 

立平葺きと瓦棒葺きの最も大きな違いは、構造にあります。立平葺きは、心木を使用しない設計で、金属板同士を噛み合わせる勘合方式を採用しています。これにより、木材を使わずに済むため、木材が腐食するリスクをなくしています。この構造は、軽量かつ耐久性が高く、長期間の使用でも劣化が少ないのが特徴です。一方で瓦棒葺きは、心木を使用しその上に金属板を固定する設計です。

接合方法の違い 

接合方法においても、立平葺きと瓦棒葺きには明確な違いがあります。立平葺きは、屋根材の突起部分を重ねて嵌め込むことで接合する勘合方式を採用しています。この方式により継ぎ目が少なくなるため、防水性が高くなります。雨水が入り込みにくい構造は、雨漏りのリスクを大幅に減らします。一方、瓦棒葺きはキャップをかぶせる方式を採用しており、継ぎ目が多くなる点が特徴です。これにより立平葺きに比べると防水性が劣ります。またキャップ部分に雨水がたまりやすく、金属板に錆が発生することもあります。

 

立平葺きのメリットとデメリット

メリット

  • 耐震性と軽量性

立平葺きは非常に軽量な屋根材で、1平方メートルあたりの重量が約4kgとされています。この軽量性により、建物の全体的な重心が下がり耐震性が向上します。特に地震の多い地域では、建物への負担が軽減されるため、立平葺きは高い人気があります

  • 雨漏りのリスクが少ない

立平葺きの最大の特徴の一つは、継ぎ目が少ない構造であることです。屋根材が勘合方式で接合されているため水が侵入しにくく、雨漏りのリスクが低くなっています。これにより雨量が多い地域でも安心して使用することができ、防水性能が長期間維持されます。また、継ぎ目が少ないことで、屋根全体がスタイリッシュな外観を保ちます。

  • 簡単な施工と短い工期

立平葺きの屋根材は、工場であらかじめ成形加工されているため、現場に持ち込んでそのまま設置することができます。これにより、施工が非常に簡単になり工期や費用を短縮することができます。現場での加工が少なくなることで、施工中のミスが減少し品質の安定した仕上がりが期待できます。

デメリット

  • 断熱性と遮音性の課題

立平葺きは金属製の屋根材であるため、断熱性と遮音性において劣る点が挙げられます。特に夏場は屋根材が太陽の熱を吸収しやすく、室内温度が上昇しやすいという問題を抱えています。また、雨が屋根を打つ音が大きく遮音性に欠けるため、雨音が気になることもあるとされています。これらの課題に対処するためには、断熱材や遮音材を併用することで、遮音性を向上させる工夫が必要です。

  • 複雑な屋根形状への不適合

立平葺きは単純な屋根形状には適していますが、切妻屋根や寄棟屋根のような複雑な形状には対応しにくいという傾向があります。

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瓦棒葺きのメリットとデメリット

メリット

  • コストの安さとメンテナンスの容易さ

瓦棒葺きは、初期費用が立平葺きよりも安価でありメンテナンスが容易なため、費用を抑えることができます。金属板を心木に固定するシンプルな構造は修理や塗装の手間が少なく、頻繁なメンテナンスを必要としないためです。

  • 設置の柔軟性

瓦棒葺きは、現場での加工が可能であるため、柔軟に設置することができます。また屋根のサイズや形状に応じて金属板を加工できるため、様々な屋根形状に対応でき狭い場所や複雑な屋根形状でも柔軟に施工が可能です。

デメリット

  • 防水性の劣る点

瓦棒葺きは継ぎ目が多くなるため、立平葺きに比べると防水性が劣ります。特に長期間にわたりメンテナンスを怠ると、継ぎ目から水が侵入する可能性が高まり、雨漏りのリスクが増します。

  • 心木の腐食リスク

瓦棒葺きでは心木と呼ばれる木材を使用していますが、長期間の使用によりこの心木が腐食し屋根の強度が低下するリスクがあります。木材が少しずつ雨水を吸収してしまうためです。

まとめ

立平葺きと瓦棒葺き、それぞれにメリットとデメリットがあります。建物の特性やオーナーのニーズに応じて適切な工法を選択することが重要です。また、屋根は建物の保護だけでなく、デザイン面でも重要な要素です。専門家と相談しながら、自分の家に合った屋根工法を選ぶことをお勧めします。

 


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