【塩害対策】屋根を守る!最適な屋根材とメンテナンス方法

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はじめに

海沿いの地域に住む人にとって、塩害は住宅の耐久性を脅かす大きな問題です。常に雨風や紫外線にさらされている屋根は、塩害の影響を受けやすく、劣化が加速してしまうことも。塩害による建物の損傷は、長期的に見ると経済的な負担も大きくなってしまいます。

この記事では、塩害から屋根を守るための基礎知識から、具体的な対策、屋根材選びのポイントまで詳しく解説していきます。屋根の塩害にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

塩害とは?そのメカニズムと屋根への影響

塩害とは、海水に含まれる塩分が、風に乗って内陸部に運ばれ、建物や植物などに付着することで引き起こされる被害のことです。

海水の飛沫は、強風や波しぶきによって発生し、微細な塩分を含んだ水滴となって、遠くまで飛散します。風の強さや方向、地形、周辺環境によって、塩害の影響範囲は海岸から数キロから数十キロまで及ぶと言われています。

また、風の向きや強さによって、屋根のどの部分がより塩害の影響を受けやすいかも異なります。例えば、風上側の屋根は、風下側の屋根よりも塩分が付着しやすいため、劣化が早まる可能性があります。

この水滴が屋根に付着すると、水分が蒸発した後も塩分が結晶化して残ります。この塩分結晶が、屋根材の劣化を加速させる原因となります。具体的には、

  • 金属屋根の場合
    塩分が金属を腐食させ、錆や穴あきを引き起こします。特に、トタン屋根などの亜鉛メッキ鋼板は塩害に弱いため、注意が必要です。ガルバリウム鋼板やステンレス鋼板など、耐塩性に優れた素材を使用する必要があります。
  • 瓦屋根の場合
    瓦の表面を侵食し、ひび割れや剥離の原因となります。
  • スレート屋根の場合
    スレートの劣化を早め、変色や苔の発生を促進します。

塩害に強い屋根材の特徴

塩害から屋根を守るためには、耐塩性に優れた屋根材を選ぶことが重要です。代表的な屋根材の特徴を以下の表にまとめました。

 

屋根材 耐塩性 耐久性 メンテナンス性 特徴
高い 高い 低い 日本で古くから使われている伝統的な屋根材。釉薬瓦は表面に釉薬を塗布しているため、耐塩性・耐候性に優れている。
スレート 中程度 中程度 中程度 薄型で軽量な屋根材。塗装によるメンテナンスが必要。
金属屋根 高い 高い 高い ガルバリウム鋼板やステンレス鋼板など、耐塩性に優れた素材を使用したものがある。

瓦は、粘土を高温で焼き固めた屋根材で、日本の気候風土に適した耐久性の高い素材です。特に、釉薬瓦は表面に釉薬を塗布しているため、耐塩性・耐水性に優れ、塩害の影響を受けにくいという特徴があります。

スレート

スレートは、薄くて軽い屋根材で、施工がしやすいというメリットがあります。しかし、セメントを主成分としているため、瓦に比べると耐塩性・耐水性は劣ります。定期的な塗装によるメンテナンスが必要です。

金属屋根

金属屋根は、軽量で耐震性に優れているという特徴があります。ガルバリウム鋼板やステンレス鋼板など、耐塩性に優れた素材を使用することで、塩害対策も可能です。

屋根の塩害対策:新築・リフォーム・メンテナンス

塩害から屋根を守るためには、適切な屋根材を選ぶだけでなく、新築時・リフォーム時・定期的なメンテナンスなど、様々な対策を講じる必要があります。

新築時の対策

新築時にしっかりと塩害対策を行うことで、将来的な屋根の劣化を最小限に抑えることができます。

  • 耐塩性・耐久性に優れた屋根材を選ぶ
    瓦、金属屋根など、耐塩性に優れた屋根材を選びましょう。
  • 屋根の形状を工夫する
    屋根の勾配を大きくすることで、雨水を早く流すことができ、塩分の付着を軽減できます。
  • 換気を確保する
    屋根裏の換気を良くすることで、湿気を逃がし、塩分の結晶化を防ぐことができます。
  • 屋根のデザインを考慮する
    切妻屋根や寄棟屋根など、勾配の急な屋根は、雨水が流れやすく、塩分の付着を軽減できるため、塩害対策に有効です。逆に、陸屋根のような平らな屋根は、雨水が溜まりやすく、塩害の影響を受けやすい傾向があります。
  • ステンレス製の固定具を使用する
    沿岸地域では、塩分による錆や腐食を防ぐために、屋根にステンレス製の留め具を使用することが不可欠です。

リフォーム時の対策

リフォームの際には、既存の屋根の状況をしっかりと把握し、適切な対策を講じる必要があります。

  • 既存の屋根材の劣化状況を確認する
    塩害による劣化が激しい場合は、屋根材の葺き替えを検討しましょう。
  • 耐塩性・耐久性に優れた屋根材を選ぶ
    リフォームの際には、耐塩性に優れた屋根材を選び、塩害対策を強化しましょう。
  • 防水シートを強化する
    防水シートを二重にするなど、防水性を高めることで、雨漏りを防ぐことができます。

定期的なメンテナンス

屋根は、常に厳しい環境にさらされているため、定期的なメンテナンスが不可欠です。特に、塩害の影響を受けやすい 沿岸地域では、こまめなメンテナンスが重要となります。

  • 屋根の点検
    定期的に屋根の点検を行い、塩害による劣化や破損がないか確認しましょう。 沿岸地域では、少なくとも6ヶ月に一度は屋根の点検を行うことをお勧めします。
  • 屋根の清掃
    屋根に付着した塩分や汚れを洗い流すことで、劣化を遅らせることができます。高圧洗浄機を使用する場合は、屋根材を傷つけないように注意が必要です。
  • 塗装・コーティング
    塗装やコーティングは、屋根材を保護し、塩害による劣化を防ぐ効果があります。

塩害による屋根の修理:費用と注意点

塩害によって屋根が劣化してしまった場合は、早急に修理を行う必要があります。塩害による損傷を放置すると、雨漏りや構造的なダメージにもつながり、結果として修理費用が大幅に増加してしまう可能性があります。修理方法としては、部分的な補修から、屋根全体の葺き替えまで、様々な方法があります。

修理費用は、被害状況や屋根材の種類、施工業者によって異なりますが、軽度の補修であれば数万円から、屋根全体の葺き替えとなると数百万円かかる場合もあります。

修理を依頼する際は、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが大切です。また、施工業者の実績や評判なども確認しておきましょう。

まとめ

塩害は、屋根の劣化を加速させる大きな要因となります。塩害から屋根を守るためには、耐塩性に優れた屋根材を選び、新築時・リフォーム時・定期的なメンテナンスなど、様々な対策を講じることが重要です。

特に、 沿岸地域では、定期的な点検とメンテナンスを怠らないようにしましょう。専門家の意見を取り入れながら、適切な塩害対策を行うことで、屋根の寿命を延ばし、建物を長持ちさせることができます。

この記事で紹介した内容を参考に、塩害から屋根を守り、住まいの価値を守りましょう。

 


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