アスファルトシングルは、近年日本でも少しずつ普及し始めた屋根材です。北米を中心に、海外では高いシェア率を誇ります。デザイン性や柔軟性が高く、特に屋根形状や屋根材カラーなどにこだわった住宅にはおすすめの屋根材です。こちらの記事では、アスファルトシングルの特徴や塗装の必要性、その他のリフォーム方法について詳しく紹介します。
アスファルトシングルの概要と特性
アスファルトシングルの特徴についてより詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。
アスファルトシングルとは
アスファルトシングルは、繊維状のガラス基材にアスファルトを染み込ませ、表面を石粒でコーティングした屋根材です。この特性により、軽量でありながら優れた防水性を持っています。さらに、カッターやハサミで簡単に加工できるため、DIYでの修理や施工にも適しています。
アスファルトシングルのメリット
アスファルトシングルは、他の屋根材と比較して多くのメリットがあります。まず、スレートのようなひび割れや金属屋根のような錆がなく、防水性に優れています。また、軽量で耐震性が高く、建物への負担を減少させることができます。さらに、色やデザインが豊富で、曲面など複雑な構造の屋根にも対応可能です。これにより、デザイン性に優れたおしゃれな印象を与えることができます。
アスファルトシングルのデメリット
アスファルトシングルにはいくつかのデメリットも存在します。まず、施工に慣れている業者が少ないため、施工実績は事前に確認しておいた方が安心です。ただし施工自体は他の屋根材に比べて難易度が低いため、業者（職人）ごとの仕上がりの差が出にくい屋根材ではあります。
また、表面の砂粒が落ちてくることがあり、家と家の距離が近い場合、周囲に砂が飛び散る可能性があります。さらに、施工方法によっては強風でめくれることがあり、カビが生えやすい点も注意が必要です。
アスファルトシングルの塗装の必要性
塗装が必ずしも必要でない理由
アスファルトシングルはもともと防水性の高い屋根材であるため、塗装は必ずしも必要ではありません。屋根は強い紫外線と風雨にさらされるため、時間が経つと色褪せてきますが、塗装工事を行うことで見た目の改善が可能です。ただし、塗装自体に機能を回復させる効果はないため、高機能塗料に過度な期待を寄せることは避けるべきとされています。
塗装のメリット
塗装工事を行うことで、色褪せ防止や見た目の向上が期待できます。特に、アスファルトシングルの表面にある石粒を塗料で多少固定することができ、砂が落ちてくるのを防ぐ効果があります。これにより、屋根の美観を保ち、周囲への影響を軽減することができます。
また見た目の改善は、結果として悪徳業者を寄せ付けないために貢献する可能性もあります。近年増加している、訪問営業を行い詐欺を行う悪徳業者は”経年劣化していそうな住宅”を狙う傾向にあります。つまり、綺麗な状態を保つことで悪徳業者から狙われづらくなる可能性があるということです。
塗装の際の注意点
塗装を行う際は、水性・艶なし塗料を選択することが重要です。油性塗料を使用すると、塗料の溶剤にアスファルトの成分が溶け出し、表面がべたつく原因となります。また、艶あり塗料は構造上塗料の吸い込みが激しく、艶の出方にムラが生じるため、アスファルトシングルには適していません。
アスファルトシングルのメンテナンスと補修
定期的な点検の重要性
アスファルトシングルの寿命は20〜30年程度とされており、10年以上経過したらチェックとメンテナンスを行うことが推奨されています。劣化症状としては、端の剥がれ、膨れ、亀裂、破れ、強風によるめくれ、一部脱落などが見られます。雨樋の詰まりを防ぐため、定期的にチェックと清掃を行うことが重要とされています。
部分的な補修
台風などの強風でめくれたり外れたりしている場合、一部のみの張り替えが可能です。1平方メートルあたりの補修費用相場は5000円～と比較的手頃ですが、基本的にはここに足場代が加算されます。ただし自然災害時（火災や台風など）の破損は火災保険の補償対象となることが多いため、保険会社に連絡して確認することをおすすめします。
全面改修
屋根全体の砂粒が剥がれていて塗装工事では見た目の改善が難しい場合や、全体に痛みがあるけれどまだ深刻な状態ではない場合、カバー工法が有効です。金属屋根など軽い屋根材を上から重ねるか、同じアスファルトシングルをかぶせることができます。ただし屋根材が寿命を迎え、下地までダメージがある場合は葺き替え工事が必要です。一般的な住宅では70〜200万円程度が相場となります。
まとめ
アスファルトシングルへの塗装は、基本的には見た目の向上や砂粒の固定のために行うと考えたほうがよいでしょう。ダメージがひどい場合はカバー工法や葺き替えなどの全面改修を検討してください。屋根工事を検討する際は、複数社から見積もりを取得し、必要な工事内容や費用を比較することをおすすめします。
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