屋根のてっぺん「棟」に使用される建材のひとつに「棟板金」というものがあります。
比較的安価で扱いやすいことを理由に、近年人気の増している建材です。
本記事では、板金棟で発生するトラブルについて原因や対処法を紹介します。
「棟」や「棟板金」について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
棟板金はトラブルが起きやすい
棟という部分は、屋根のてっぺんに位置するため台風など自然災害の影響を受けやすいです。
日々雨風にさらされているため経年劣化も起こります。
板金屋根の棟においては、釘の浮きや棟板金の剥がれ、歪みといったトラブルが発生することがあります。
悪徳業者被害に要注意
近年、屋根や棟にトラブルが発生しやすいことを逆手にとった悪徳業者が増えています。
突然訪問してきて屋根の不備を指摘してくる業者は悪徳業者であることが多いため、ご注意ください。
指摘されたからといってすぐにお金を払うことは避けましょう。
悪徳業者被害については、以下の記事で詳しくまとめています。
板金屋根の棟の修理といえば
釘の締め直し
修理内容
棟板金は、屋根のてっぺん部分を「貫板(ぬきいた)」という板でおさえた上に金属板を被せるという構造でできています。
この金属板を固定している釘が、経年ととともに浮いてきてしまうのです。
そのため定期的な釘の締め直しが必要で、これが最も発生頻度の多い修理でしょう。
原因
浮いてきてしまう原因には、太陽熱による熱膨張や釘の腐食が挙げられます。
熱膨張とは、金属が熱で温められることによって膨張する現象です。
日中は太陽熱で膨張した棟板金が、夜は気温の低下とともに収縮します。
膨張する際は釘も一緒に引っ張られ、収縮するときは棟板金だけが収縮するため、これを何年も繰り返すことで徐々に釘が抜けてきてしまうのです。
つまり日当たりの良い家ほど釘が浮くスピードは速くなります。
貫板の交換
修理内容
木材でできている貫板は、腐食してしまうことがあります。
そして貫板の腐食は棟板金の浮きや剥がれに繋がる恐れがあるため、交換が必要となります。
既存の棟板金をいったん剥がして劣化した貫板を撤去し新しい貫板を設置し直す工事です。
釘が浮いてきた時点で(トラブルが軽度のうちに)修理をしてしまうことをおすすめします。
原因
上述の釘の浮きを放置すると、浮いた釘を伝って雨水が貫板に当たり腐食してしまうことがあります。
棟板金の交換
修理内容
棟板金自体が飛ばされてしまったり、損傷や歪み、錆びが発生した場合は棟板金の交換工事が必要となります。
こちらも貫板同様、釘の浮きを放置すると発生リスクが高くなるトラブルです。
棟板金が飛ばされてしまうと貫板に直接雨水が当たるため、その状態を放置すると最悪の場合は雨漏りに繋がります。
原因
台風などの自然災害で突発的に発生することがあります。
釘の浮きを放置すると、当然飛ばされやすくなるため発生リスクは高まります。
また、築年数が経過して雨水による錆び(経年劣化)が進行し交換に至る場合もあります。
棟板金の修理費用の相場
修理費用については、以下の記事で詳しく紹介しています。
棟板金は定期的なメンテナンスが必要
小さなトラブルが時間の経過とともに悪化して大きなトラブルを引き起こすことは珍しいことではありません。
そのため修理を最小限に収めるためには、定期的にメンテナンスを行いトラブルを早期発見し、正しく修理を行うことが大切です。
これは既述の悪徳業者被害を防止するうえでも同様です。
棟板金は7~10年に1回程度はメンテナンスを実施することをおすすめします。
メンテナンス依頼は屋根屋さん・板金屋さんに
メンテナンスは実績のある「屋根屋さん」「板金屋さん」に依頼することを推奨します。
優良な業者を探すには、まずは実績の有無を確認することが大切です。
HPやSNS上で、実例写真付きで実績を紹介している業者も多いのでぜひ活用してください。
また、複数業者に見積を作成してもらい比較するのも有効な検討方法です。
素人はもちろん不慣れな業者では内側の状態までは把握が難しく、対処すべき不具合を見落とす可能性があります。
的確な判断をするためにも、実績のある業者の見識に頼ることがおすすめです。
まとめ
修理費用には火災保険や地震保険が適用されることもあります。
保険適用については、適用条件や注意事項含め以下の記事で詳しく説明しています。
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屋根のてっぺんリフォームとは
東京・神奈川・山梨の創業80年を超える老舗瓦屋3社による、屋根のてっぺんにある棟(むね)についての情報発信サイトです。
建物の中でも非常に重要な役割を持つ棟ですがその認知度は低く、気付いた時には取り返しのつかない事態になった家を瓦屋として多く見てきました。
また認知度の低さを悪用した悪徳業者も増えており、その被害は年々増加しています。
被害を未然に防ぐことが、老舗瓦屋としての使命と思い同じ志を持った3社共同で運営しております。