トタン屋根とは?その基本構造とメリット・デメリット、将来性について

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トタン屋根は軽量で施工が容易なため、長年にわたって住宅や倉庫などの屋根材として広く利用されてきました。特に1950年代の高度経済成長期には、その低コストと短い施工期間から多くの建物で採用されました。近年ではガルバリウム鋼板が主流となりトタンの使用は減少していますが、特に雪国などでは依然として多くの住宅で使用されています。こちらの記事では、トタン屋根の構造やメンテナンス方法についても紹介します。

トタン屋根の基本構造

トタン屋根は、鋼板に亜鉛めっきを施した金属屋根で、雨漏りに強く緩勾配にも対応できるのが特徴です。トタン屋根は、以下のような構造でできています。

トタン瓦棒屋根(タルキあり)

トタン瓦棒屋根は、高くなったカッパという部分にタルキが入っている構造です。このタルキが雨水の侵入を防ぎますが、腐食することもあるため定期的な点検が必要です。

三晃式トタン屋根(タルキなし)

三晃式トタン屋根は、カッパ部分にタルキが入っておらず空洞になっています。タルキがない分、腐食のリスクは低く、雨漏りしにくい構造となっています。このため、勾配が緩い屋根にも適しています。

 

トタン屋根の構造部材と名称

瓦棒葺きの構造部材

瓦棒

瓦棒は、トタン屋根において縦方向に配置される木製の桟で、トタン板を固定する重要な役割を果たします。この構造により、屋根の耐久性を向上させ、雨風に対する抵抗力を高めます。

ドブ(溝板)

ドブは、屋根の低い部分にあたる板で、雨水を効率的に流すための溝を形成します。これにより、雨水の排水がスムーズになり、雨漏りのリスクを軽減します。

カッパ(棟部分)

カッパは、屋根の高くなった棟部分に配置され、棟から流れてくる雨水を左右に分散させる役割を持ちます。これにより、屋根全体の排水効率が向上し、雨水の滞留を防ぎます。

立平葺きの構造部材

ハゼ

ハゼは、トタン屋根材の端を逆V字型に折り曲げた部分で、この部分を重ね合わせることで防水性を高めます。この構造により、屋根材同士の接合が強固になり、雨水の浸入を防ぎます。

平葺き部分

平葺き部分は、屋根の全体を覆う平らな部分で、屋根全体の形を形成します。この部分がしっかりと設置されることで、屋根の美観と機能性を両立させ、建物を保護します。

 

トタン屋根のメリットとデメリット

メリット

軽量で耐震性が高い

軽量なため建物への負担が少なく、耐震性に優れています。

コストパフォーマンスに優れる

安価で施工が容易なため、コストを抑えつつ十分な機能を持ちます。

デメリット

錆びやすい

亜鉛めっきの効果はありますが、錆びやすいため定期的なメンテナンスが必要です。

耐熱性が低い

夏場の高温で屋根が熱くなりやすく、室内温度の上昇に繋がります。

 

トタン屋根のメンテナンスと修理方法

定期的な塗装とその効果

トタン屋根は錆びやすいため、定期的な塗装が欠かせません。錆止め塗料を使用して、屋根を保護することが重要です。特に、劣化が始まる前に塗装を行うことで、長持ちさせることができます。

カバー工法と葺き替えの選択基準

トタン屋根が大きく劣化した場合は、カバー工法や葺き替えを検討する必要があります。カバー工法は既存の屋根に新しい屋根材を重ねる方法で、費用を抑えることができます。一方、葺き替えは古い屋根材を撤去して新しい屋根材に取り替える方法で、より確実に屋根の耐久性を向上させることが可能です。

 

トタン屋根の将来性と選び方

金属屋根はガルバリウム鋼板が主流

近年では、トタン屋根に代わり耐久性の高いガルバリウム鋼板が主流となっています。しかし、トタン屋根にもその軽さや低コストというメリットがあり、用途に応じて選択肢に入れる価値があります。

ガルバリウム鋼板との比較

ガルバリウム鋼板はトタンに比べて錆びにくく耐久性が高いため、長期間の使用に適しています。一方で、トタン屋根はそのコストパフォーマンスの高さから短期的な使用に向いています。

トタン屋根を選ぶ際のポイント

トタン屋根は、コストを重視する場合や短期間の使用を考えている際に適した選択肢といえます。材料費や施工費が比較的低く抑えられるため、予算を抑えたい方には魅力的です。また、トタンは非常に軽量であるため、耐震性を重視したい場合にも適しています。軽量な屋根材は建物全体への負担を減らし、地震時の安全性を高めます。

 

まとめ

トタン屋根は、軽量でコストパフォーマンスに優れた屋根材として、特に雪国などで広く利用されています。しかし、錆びやすく耐熱性が低いため、定期的なメンテナンスが重要です。選択肢としては、ガルバリウム鋼板も視野に入れつつ、建物の用途や予算に応じて自分の理想に合った屋根材を選ぶことが大切です。メンテナンスを怠らず、長く快適に使用できるよう心がけましょう。

 


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