「石粒付き鋼板」と言うものをご存知でしょうか。
金属屋根材の一種で、ガルバリウム鋼板となにが違うのかご質問を頂くことも多い屋根材です。
結論としては、石粒付き鋼板はガルバリウム鋼板の一種です。
こちらの記事では、石粒付き鋼板の特徴について紹介します。
石粒付き鋼板とは
石粒付き鋼板とは、石粒と呼ばれる天然石を砕石したものが表面に付着したガルバリウム鋼板のことです。
自然石粒付き鋼板・ストーンチップ鋼板などと呼ばれることもあります。
石粒付きの屋根材にはガルバリウム鋼板とアスファルトシングルの2種類がありますが、特に石粒付きのガルバリウム鋼板を「石粒付き鋼板」と呼びます。
ガルバリウム鋼板に関しては石粒付きのものとそうでないものがあり、アスファルトシングルに関しては石粒付きが通常仕様です。
石粒付き鋼板の特徴
耐久性が高い
石粒付き鋼板は、そうでないガルバリウム鋼板に比べて耐久性が高いです。
通常のガルバリウム鋼板の耐用年数が25~40年程度であることに対して、石粒付き鋼板の耐用年数は30~50年程度あります。
石粒付き鋼板は屋根のリフォーム方法のひとつ「カバー工法」で採用されることの多い屋根材です。
通常のガルバリウム鋼板と同様に軽量なため、カバー工法に向いています。
カバー工法については、以下の記事で詳しく紹介しています。
再塗装が不要
ガルバリウム鋼板は通常、メンテナンスとして再塗装が必要と言われています。
表面の塗膜が経年とともに剥がれ、劣化が速まるためです。
しかし石粒付き鋼板は石粒によるコーティングがされているため、再塗装を行う必要がありません。
石粒付き鋼板の経年劣化
石粒付き鋼板は非常に耐久性の高い屋根材ですが、経年劣化は発生します。
石粒付き鋼板特有の経年劣化としては、代表的なものが石粒の剥がれです。
表面に付着した石粒は永久的なものではなく、経年とともに少しずつ剥がれ落ちていきます。
そのため剥がれた石粒が雨樋に溜まってしまい、雨樋を詰まらせてしまうことがあります。
雨樋は詰まると水漏れや破損など様々なトラブルを引き起こすリスクがあるため、定期的な掃除が必要です。
また石粒の剥がれが目立ってきたタイミングでメンテナンスを行うこともおすすめします。
雨樋の掃除については、以下の記事で詳しく紹介しています。
ジンカリウム鋼板と石粒付き鋼板
ジンカリウム鋼板=ガルバリウム鋼板
ジンカリウム鋼板とは、ガルバリウム鋼板と同じものです。
ではなぜ異なる名称がついているのかというと、異なる会社が商標登録しているためです。
両者ともアルミ・亜鉛・シリコンでメッキされた鋼板で、亜鉛とシリコンの配合割合が0.1%程度異なります。
そのため金属屋根材としての性質や強度もほぼ同じです。
ジンカリウム鋼板は石粒付きのものが多い
一部の業者では石粒付き鋼板=ジンカリウム鋼板とされているため、ガルバリウム鋼板よりジンカリウム鋼板の方が耐久性が高いという意見が出ることがあります。
これはおそらく、ジンカリウム鋼板は石粒付きのものが多いためです。
しかし実際はジンカリウム鋼板にも石粒付きのものとそうでないものがあるため、ジンカリウム鋼板/ガルバリウム鋼板と石粒付き鋼板はイコールではありません。
石粒付き鋼板が、石粒の付いたジンカリウム鋼板/ガルバリウム鋼板であると捉えてください。
まとめ
石粒付き鋼板とは、石粒でコーティングされたガルバリウム鋼板/ジンカリウム鋼板のことです。
ガルバリウム鋼板とジンカリウム鋼板は同じものです。
石粒付き鋼板は通常のガルバリウム鋼板よりさらに耐久性が高く、再塗装のメンテナンスも不要となっています。
また通常のガルバリウム鋼板と同様にカバー工法が可能です。
表面の石粒は経年とともに剥がれてしまうため、剥がれた石粒が雨樋に溜まって詰まらせてしまうことがあります。
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