家の換気といえば、窓を開けてするものというイメージを持つ人が多いと思います。
しかし実際は窓による換気だけでは不十分なことも多く、屋根のてっぺんに「換気棟(かんきむね)」と呼ばれるものを家に設置することが多いです。
本記事では換気棟の役割について紹介します。
「換気棟(かんきむね)」とは何か
換気棟の設置場所
換気棟は屋根のてっぺん「棟(むね)」に設置します。
棟とは、屋根のてっぺんで屋根面同士が合わさり山型になっている部分のことです。
「棟(むね)」もしくは「屋根棟(やねむね)」と言い、場所や役割については以下の記事で説明しています。
屋根に設置された換気部材
換気棟とは、屋根裏にこもりがちな湿気や熱気の排出および外気との入れ替えのために屋根の棟に設けた、換気部材のことです。
家1棟あたり1〜3個の換気棟をつけることが多く、大半は新築時か屋根リフォーム工事や修理の時に設置します。
屋根の棟にそって小さな穴や隙間が空いていて、そこから内部の湿気や熱気を排出しています。
穴や隙間と聞くと、そこから雨水が内部に侵入するのではと懸念する方もいるかもしれませんが、勿論そのようなことはありません。
雨漏りしないよう構造に工夫が凝らされているため、もし換気棟から雨漏りが起きた場合は取り付け工事に不備があった可能性があります。
背景にある日本の家の性能変化
50年程前までは、日本の家は隙間風が入りやすいというデメリットもあるものの通気性が良く熱気や湿気を外に逃がしやすい構造でした。
しかし近年建築される家は性能が向上し、断熱性や気密性の高いものが増えました。
年間を通して気候変化の激しい日本で暮らす上で非常に重要な機能です。
しかしその反面、断熱性や気密性の高い家は熱気や湿気を屋内にため込む特性があります。
換気棟の役割
熱気の排出
熱気が屋内にこもると、夏場の室内気温上昇に繋がります。
夏は太陽熱によって建物が高温になるため、屋根裏の気温が上昇しエアコンの効果を半減させてしまうのです。
換気棟から外に熱気を逃がし空気を入れ替えることで、室内気温を下げ光熱費削減や省エネに
湿気の排出
梅雨の時期に限らず、家の中は住人の入浴や洗濯物の部屋干し、加湿器の使用などによって湿気は屋根裏に溜まってしまいがちです。
湿気がこもることで、木材が腐食しやすくなりカビが発生しやすくなります。
また冬は暖房によって暖められた空気が屋根裏に登るため、冷たい外気との温度差で結露が発生しやすくなり、これもまた同様に木材の腐食やカビの発生を招きます。
換気棟から外に湿気を逃すことで、結露による木材の腐食やカビの発生を防ぎます。
換気棟の設置における注意事項
施工不備があると雨漏りのリスクを高める
換気棟の設置を技術の不確かな業者に依頼すると「施工に不備があって雨漏りしてしまった」ということになりかねません。
これは熟練の職人が適切に施工を行うことで防げる事態です。
依頼の際は価格だけではなく施工事例なども参考に、信頼のおける屋根屋さんを探してください。
屋根形状によっては設置できない可能性がある
片流れ屋根と呼ばれる、片方にだけ傾斜のある屋根には換気棟を設置することができません。
そのため片流れ屋根は自然換気がしづらく、湿気による屋根や外壁の劣化がしやすい屋根形状です。
屋根の形状を決める際は、特徴をよく理解して決定しましょう。
換気棟の設置費用
いざ設置するとなると気になることといえば、費用ですよね。
換気棟の設置費用は1か所あたり25,000円〜が相場です。
換気棟の設置費用や設置後の修理費用について、以下の記事で紹介しています。
まとめ
屋根や柱などに使用されている木材の劣化を遅らせ家を長持ちさせるためにも、これから新築を予定している方や現在住んでいる家に換気棟がない方は、ぜひ設置をご検討ください。
また、換気棟のメンテナンスについては以下の記事で紹介しています。
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建物の中でも非常に重要な役割を持つ棟ですがその認知度は低く、気付いた時には取り返しのつかない事態になった家を瓦屋として多く見てきました。
また認知度の低さを悪用した悪徳業者も増えており、その被害は年々増加しています。
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