はじめに
瓦屋根の棟は、屋根の頂上部分に水平に設置され、雨水の侵入を防ぐ役割を担っています。棟には棟瓦と棟板金があり、瓦屋根の場合は棟瓦が使用されます。棟瓦は強風や地震などの影響を受けやすく、経年劣化によってズレや破損が起こることがあります。放置すると雨漏りの原因になるため、定期的な点検と適切な修理が必要です。
この記事では、瓦屋根の棟修理の費用相場や修理方法、注意点などを詳しく解説します。
棟瓦の構造
瓦屋根の棟は、熨斗瓦(のしがわら)と呼ばれる緩やかな曲線を持つ瓦を棟瓦の下に複数枚重ねて葺き、その上に棟瓦を漆喰で固定することで構成されています。熨斗瓦は棟の防水性を高める役割があり、棟瓦は棟の内部への雨水の侵入を防ぎます。
棟瓦には、冠瓦や鬼瓦など、様々な種類があります。冠瓦は棟の頂上に設置される瓦で、鬼瓦は棟の端に設置される装飾瓦です。鬼瓦は魔除けや装飾としての役割があり、日本の伝統的な建築物によく見られます。
棟瓦の劣化症状
棟瓦の劣化症状としては、以下のようなものがあります。
- 棟瓦のズレ
強風や地震によって棟瓦がずれることがあります。放置すると雨漏りの原因になるため、早めの修理が必要です。 - 棟瓦の破損
瓦が割れたり欠けたりすることがあります。破損した瓦を放置すると、雨漏りの原因になるため、交換が必要です。 - 漆喰の剥がれ
棟瓦を固定している漆喰が剥がれることがあります。漆喰の剥がれは、雨漏りの原因になるため、補修が必要です。 - 下地の腐食
棟瓦の下地材である芯木が腐食することがあります。下地の腐食は、棟瓦のズレや破損の原因になるため、補修または交換が必要です
棟瓦の修理方法
棟瓦の修理方法は、劣化症状によって異なります。主な修理方法には、以下のものがあります。
- 漆喰の詰め直し
漆喰の剥がれやひび割れを補修する方法です。 漆喰は、瓦屋根の棟部分に使われる接着剤のようなものです。 経年劣化や自然災害によって剥がれたり、ひびが入ったりすることがあります。 放置すると、雨漏りの原因になるため、早めに補修が必要です。 - 棟瓦の積み直し
棟瓦のズレや漆喰の剥がれがひどい場合に、棟を解体して積み直す方法です。 棟瓦は、瓦屋根の最も高い部分にある瓦です。 ズレたり、漆喰が剥がれたりすると、雨漏りの原因になるだけでなく、強風で飛ばされる危険性もあります。 - 瓦の交換
棟瓦が破損している場合は、新しい瓦に交換します。 棟瓦は、割れたり、欠けたりすることがあります。 破損した瓦を放置すると、雨漏りの原因になるため、早めに交換が必要です。 - 下地の補修
下地材が腐食している場合は、下地材を補修または交換します。 下地材は、棟瓦の下にある木材です。 腐食すると、棟瓦を支えることができなくなり、雨漏りの原因になります。
棟瓦修理の費用相場
棟瓦修理の費用相場は、修理方法や使用する瓦の種類、屋根の面積などによって異なります。11 参考として、主な修理内容と費用相場は以下の通りです。
修理内容 | 費用相場 |
---|---|
漆喰の詰め直し | 4,000円~7,000円/m |
棟瓦の積み直し | 10,000円~17,000円/m |
瓦の交換 | 1枚あたり1~5万円程度 |
※上記はあくまで目安であり、実際の費用は業者に見積もりを依頼する必要があります。
棟瓦修理の注意点
棟瓦修理を行う際の注意点は以下の通りです。
- 信頼できる業者を選ぶ
瓦屋根の修理は、専門的な知識と技術が必要です。施工実績が豊富で、信頼できる業者を選びましょう。 - 複数の業者から見積もりを取る
複数の業者から見積もりを取り、比較検討することで、適正な価格で修理を依頼することができます。 - 施工内容を確認する
見積もり内容や施工内容を carefully に確認し、不明な点があれば質問するようにしましょう。 - 火災保険の活用
台風や地震など、自然災害が原因で棟瓦が破損した場合は、火災保険が適用される場合があります。保険会社に問い合わせてみましょう。
棟瓦修理と耐震性
瓦屋根は重量があるため、地震時に建物に負担がかかるというデメリットがあります。しかし、棟瓦の修理方法によっては、耐震性を高めることも可能です。例えば、棟瓦を積み直す際に、ガイドライン工法を採用することで、棟瓦の耐震性を向上させることができます。ガイドライン工法とは、棟瓦を固定する際に、ステンレス製のビスや金具を使用する工法です。
まとめ
この記事では、瓦屋根の棟修理の費用相場や修理方法、注意点などを詳しく解説しました。棟瓦の修理方法は、劣化症状によって異なります。主な修理方法には、漆喰の詰め直し、棟瓦の積み直し、瓦の交換、下地の補修などがあります。修理費用は、修理方法や使用する瓦の種類、屋根の面積などによって異なります。
棟瓦の修理を検討する際は、この記事を参考にして、信頼できる業者を選び、適切な修理方法を選択してくださいね。
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建物の中でも非常に重要な役割を持つ棟ですがその認知度は低く、気付いた時には取り返しのつかない事態になった家を瓦屋として多く見てきました。
また認知度の低さを悪用した悪徳業者も増えており、その被害は年々増加しています。
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