【保存版】瓦屋根の名称を徹底解説!部位・種類・構造から歴史までわかりやすく紹介

ブログ

はじめに

瓦屋根は、日本の伝統的な建築物によく見られる美しい屋根材です。瓦屋根には様々な種類や名称があり、その構造や各部位の名称を理解することは容易ではありません。

この記事では、瓦屋根の名称について、種類、部位、構造など、様々な観点から詳しく解説していきます。瓦屋根の基礎知識から専門的な内容まで網羅しているので、この記事を読んでぜひ瓦屋根の名称について知見を深めてくださいね。

瓦屋根の種類と名称

瓦屋根は、一般的に「かわらやね」と読みます。しかし、「がわらやね」と読むこともあります。 

また、瓦の種類によって読み方が異なる場合があります。例えば、桟瓦葺きは「さんがわらぶき」、本瓦葺きは「ほんがわらぶき」と読みます。 

瓦屋根は、大きく分けて日本瓦洋瓦の2種類に分けられます。それぞれに特徴や用途があり、使用される瓦の名称も異なります。

 

瓦の種類 特徴 用途
日本瓦 高耐久性、断熱性、遮音性に優れる 日本の伝統的な建築物、寺社仏閣 桟瓦、熨斗瓦
洋瓦 軽量で施工しやすい、デザイン性が高い 西洋風の建築物、住宅 平板瓦、S形瓦
セメント瓦 安価、様々な色や形状に加工できる 住宅、倉庫など
古代の瓦 独特の形状と文様を持つ、歴史的価値が高い 古墳、寺院など 軒丸瓦、軒平瓦、鬼瓦、鴟尾

日本瓦

日本瓦は、粘土を高温で焼き固めた瓦です。古くから日本の建築物に使用されており、独特の風合いと高い耐久性が特徴です。日本瓦は、さらに和瓦洋瓦に分類されます。

  • 和瓦
    J形と呼ばれる、緩やかな曲線を描く瓦です。日本の伝統的な建築物に多く用いられ、寺社仏閣などによく見られます。代表的な和瓦には、桟瓦(さんがわら)や熨斗瓦(のしがわら)などがあります。
  • 洋瓦
    S形やF形など、和瓦とは異なる形状の瓦です。西洋風の建築物に用いられることが多く、近年では住宅にも取り入れられています。 

J形(和瓦/日本瓦)
J形瓦は、日本の伝統的な瓦の形状で、和瓦とも呼ばれます。緩やかな曲線を描いた形状が特徴で、主に和風住宅に使用されます。

S形(南欧風洋瓦)
S形瓦は、南欧風の住宅によく見られる瓦で、その名の通りS字型の波形が特徴です。

F形(平板瓦)
F形瓦は、平板状の瓦で、現代的な住宅によく合います。すっきりとした直線的なラインが特徴です。

セメント瓦

セメント瓦は、セメントを主原料とした瓦です。日本瓦や洋瓦に比べて安価で、様々な色や形状に加工できるという特徴があります。セメント瓦の耐用年数は約40年です。

古代の瓦

古代の瓦は、主に古墳時代から奈良時代にかけて使用された瓦です。軒丸瓦や軒平瓦など、独特の形状と文様を持つ瓦が多く、歴史的価値の高いものとなっています。 古代の瓦には、鬼瓦や鴟尾など、現代の建築にも使われているものもあります。

屋根の部位と名称

屋根は、様々な部位で構成されており、それぞれに役割と名称があります。ここでは、瓦屋根の主要な部位と名称を解説していきます。

棟(むね)

棟は、屋根の最も高い部分です。屋根の頂上を水平に走る部分で、雨水を左右に流す役割があります。棟には、棟瓦(むねがわら)と呼ばれる瓦が葺かれています。棟瓦は、熨斗瓦や冠瓦など、様々な種類があります。 

軒(のき)

軒は、屋根の端の部分です。外壁から突き出した部分で、雨水を地面に落とす役割があります。軒には、軒瓦(のきがわら)と呼ばれる瓦が葺かれています。軒瓦は、軒平瓦や軒丸瓦など、様々な種類があります。 

ケラバ

ケラバは、屋根の妻側の端の部分です。棟から軒先に向かって斜めに走る部分で、雨風から建物を守る役割があります。ケラバには、ケラバ瓦と呼ばれる瓦が葺かれています。 

平部(ひらぶ)

平部は、屋根の傾斜している部分です。棟と軒の間の部分で、雨水を軒に流す役割があります。平部には、平瓦や桟瓦など、様々な種類の瓦が葺かれています。 

谷(たに)

谷は、屋根の面と面が交わる部分です。雨水が集中しやすく、雨漏りが発生しやすい箇所でもあります。谷には、谷瓦と呼ばれる瓦が葺かれています。 

瓦屋根の構造

瓦屋根は、瓦だけでなく、様々な部材で構成されています。ここでは、瓦屋根の構造について、断面図を参考にしながら解説していきます。

瓦屋根の構造は、大きく分けて以下のようになっています。

  1. 小屋組:屋根の骨組みとなる部分です。木材を組み合わせて作られています。
  2. 野地板:小屋組の上に張られる板です。瓦を葺くための下地となります。
  3. 防水層:野地板の上に張られる防水シートです。雨水の浸入を防ぎます。
  4. :防水層の上に葺かれる瓦です。屋根の仕上げ材となります。 

瓦屋根の断面図を見ると、これらの部材が層状に積み重なっていることがわかります。 各部材がそれぞれの役割を果たすことで、瓦屋根は雨風から建物を守るという重要な機能を果たしています。

 

個々の瓦の名前

瓦屋根には、様々な種類の瓦が使用されています。ここでは、代表的な瓦の名称と役割を解説していきます。

 

瓦の名称 役割 形状 特徴
桟瓦(さんがわら) 屋根の平部に葺かれる 波形 軽量で施工しやすい
熨斗瓦(のしがわら) 棟に葺かれる 平板状 棟の防水性を高める
鬼瓦(おにがわら) 棟の端に葺かれる 鬼の顔など 魔除けの意味がある
軒先瓦(のきさきがわら) 軒先に葺かれる 雨水を地面に落とす

 

瓦屋根と耐震性

瓦屋根は、重量があるため、地震の際に建物に大きな負荷がかかると心配されることがあります。しかし、建築基準法では、瓦屋根の住宅は、軽い屋根の住宅よりも壁の量を増やすことで、必要な耐震性を確保するように設計されています。 

また、金属屋根は瓦屋根よりも軽いですが、地震の際に変形しやすく、雨漏りの原因となることがあります。 瓦屋根は、地震の揺れにも強く、耐震性に優れた屋根材と言えるでしょう。

瓦屋根の施工

瓦屋根の施工は、専門的な知識と技術が必要です。瓦屋根の施工方法は、大きく分けて「土葺き」と「乾式工法」の2種類があります。

土葺き: 土葺きは、瓦を土で固定する伝統的な工法です。

乾式工法: 乾式工法は、瓦を釘やビスで固定する工法です。近年では、耐震性の観点から、乾式工法が主流となっています。 

 

瓦屋根のデメリット

瓦屋根は、多くのメリットを持つ反面、デメリットも存在します。

  • 重量
    瓦屋根は、他の屋根材に比べて重量があります。そのため、建物の構造によっては、瓦屋根に耐えられない場合があります。 
  • 費用:
    屋根は、他の屋根材に比べて費用が高くなる傾向があります。
  • 破損
    瓦は、強風や地震などによって破損することがあります。

瓦屋根の選び方とメンテナンス

瓦屋根は、耐久性が高く、メンテナンスの手間が少ない屋根材ですが、定期的な点検やメンテナンスが必要です。 

 

メンテナンス項目 点検内容 頻度
瓦の破損 ひび割れ、欠け 10年に1回
棟のズレ 棟瓦のズレ、漆喰の剥がれ 10年に1回
雨漏り 雨漏りの形跡 定期的に

 

まとめ

この記事では、瓦屋根の名称について、種類、部位、構造、歴史、文化、メンテナンスなど、様々な観点から解説しました。瓦屋根は、日本の伝統的な建築物に欠かせない要素であり、美しい景観と高い機能性を兼ね備えています。

瓦屋根の名称を理解することは、瓦屋根の構造や機能を理解する上で非常に重要です。この記事を参考にして、瓦屋根についてより深く理解し、瓦屋根の住宅を検討する際には、専門業者に相談することをおすすめします。

 


棟の修理・点検の事なら、屋根の専門家にお気軽にご相談を

どんな些細なご不安でもまずはご相談ください。

お問い合わせエリアに応じて、創業80年以上の実績と経験のある我々が対応させていただきます。

お問い合わせフォームまたは下記電話よりご連絡ください。

東京エリア:株式会社石川商店(03-3785-1616

神奈川エリア:株式会社いらか(0463-34-3501

山梨エリア:有限会社一ノ瀬瓦工業(0120-492-901

(上記エリア以外でも、対応可能な場合もあります)

対応が難しいエリアの場合は信頼できる全国の屋根屋さんを紹介させていただきます。

屋根のてっぺんリフォームとは

東京・神奈川・山梨の創業80年を超える老舗瓦屋3社による、屋根のてっぺんにある棟(むね)についての情報発信サイトです。

建物の中でも非常に重要な役割を持つ棟ですがその認知度は低く、気付いた時には取り返しのつかない事態になった家を瓦屋として多く見てきました。

また認知度の低さを悪用した悪徳業者も増えており、その被害は年々増加しています。

被害を未然に防ぐことが、老舗瓦屋としての使命と思い同じ志を持った3社共同で運営しております。