瓦棒葺き屋根の特徴と対策!メリット・デメリットと効果的なメンテナンス方法

メリットとデメリット 瓦棒葺き屋根の特徴 ブログ

瓦棒葺き(かわらぼうぶき)は、金属屋根の施工方法の一つで、主にガルバリウム鋼板やトタンなどの金属を使用します。「瓦」という文字が含まれていますが、実際には瓦を使用しない施工方法です。この記事では、瓦棒葺きの特徴、メリット、デメリット、メンテナンス方法、そして進化した「縦ハゼ葺き」について詳しく解説します。

瓦棒葺き(かわらぼうぶき)とは?

瓦棒葺き

瓦棒葺きの構造

瓦棒葺きは、「瓦棒(かわらぼう)」と呼ばれる木材を30~45cmの間隔で屋根に取り付け、その上に金属の屋根材を巻き付けて固定する施工方法です。この方法により、屋根の頂点から軒先まで一枚の屋根材で覆うことができ、排水性が非常に高いのが特徴です。瓦棒は縦方向に設置されるため、雨水が効率よく流れる構造となっており、特に緩勾配の屋根で優れた効果を発揮します。また、この施工方法は比較的軽量な屋根材を使用するため、建物全体への負担も軽減されます。

使用される材料

瓦棒葺きに使用される屋根材は、主にガルバリウム鋼板やトタンです。ガルバリウム鋼板はトタンに比べて錆びにくく、耐久性が高い材料として近年多く使用されています。特に新しい建築やリフォームでは、ガルバリウム鋼板が主流となっており、その軽量性と耐候性が評価されています。

 

瓦棒葺きのメリット

雨水の排水性

瓦棒葺きは縦方向に屋根材を設置するため、雨水が流れやすく、排水性が非常に高いです。このため、緩勾配の屋根にも適しており、雨漏りのリスクを軽減できます。

軽量で建物への負担が少ない

金属屋根材を使用するため、瓦棒葺きの屋根は非常に軽量です。これにより、建物への負担が少なく、耐震性にも優れています。

施工が簡単で費用が抑えられる

瓦棒葺きは、あらかじめ工場で屋根材を加工し、それを現場で取り付けるだけなので施工が簡単で工期が短く、費用を抑えることができます。

 

瓦棒葺きのデメリット

木材の腐食リスク

瓦棒葺きの最大のデメリットは、瓦棒として使用される木材が雨水を吸い込むことで腐食しやすい点です。腐食が進むと屋根全体の強度が低下し、強風時に屋根材が飛ばされる危険性があります。

サビの発生

金属屋根材を使用するため、傷がついた部分からサビが発生するリスクがあります。サビが進行すると屋根材に穴が開くこともあるため、注意が必要です。

遮音性と断熱性の低さ

金属屋根は遮音性や断熱性が低く、雨音が室内に響きやすいというデメリットがあります。また、断熱性能が低いため、夏は屋根が熱くなりやすく、冬は冷えやすくなります。

 

瓦棒葺きが進化した「縦ハゼ葺き」とは

縦ハゼ葺きの構造

縦ハゼ葺き(立平葺き)は、瓦棒葺きの進化形で、木材を使用せずに金属同士を折り曲げてかみ合わせることで固定する施工方法です。これにより、木材の腐食リスクがなくなり、耐久性が向上します。縦ハゼ葺きでは、金属板の端を互いに重ねて接合するため、強度が高く、耐風性や耐久性に優れています。また、この構造は見た目もスッキリしており、モダンなデザインを求める建物にも適しています。特にガルバリウム鋼板を用いることで、さらに長寿命化が図られています。

瓦棒葺きとの違い

瓦棒葺きは木材を使用するため、腐食のリスクがありますが、縦ハゼ葺きは金属のみを使用するため腐食しにくいという大きな違いがあります。また、縦ハゼ葺きはさらに緩勾配の屋根にも対応できる点が特徴です。

 

瓦棒葺き屋根のメンテナンス方法

定期的な塗装

瓦棒葺き屋根のメンテナンスとしては、定期的な塗装が挙げられます。塗装を行うことで防水機能を回復させ、サビの発生を防ぐことができます。

カバー工法

瓦棒葺きの屋根が劣化している場合には、カバー工法が有効です。既存の屋根材の上から新しい金属屋根材を被せることで、劣化した部分を補修します。

葺き替え工事

劣化が進んでいる場合や、瓦棒が腐食している場合には、葺き替え工事が必要です。ガルバリウム鋼板などの耐久性の高い材料を使用することで、長期的な耐久性を確保します。

カバー工法と葺き替え工事については、以下の記事で違いを詳しく紹介しています。

カバー工法ってなに?葺き替え・葺き直し・カバー工法の違いについて解説
「葺き替え」とは屋根の寿命がきた際に行うリフォーム工事のひとつですが、実は葺き替えの他にも代表的な工事があります。それが「カバー工法」です。今回の記事では「カバー工法」がどういった工事なのか、メリットなどを踏まえて解説します。

 

瓦棒葺きの施工事例と費用相場

瓦棒葺きの施工事例としては、住宅や商業施設など様々な建物に使用されています。費用相場は1平方メートルあたり4500~5500円程度ですが、断熱性を高めるために通気層を設ける場合は6000~8000円程度になります。

 

縦ハゼ葺きのメリットと費用相場

縦ハゼ葺きのメリットとしては、木材を使用しないため腐食リスクがない点が挙げられます。また、さらに緩勾配の屋根にも対応できるため、様々な屋根形状に適しています。費用相場は瓦棒葺きと同じく1平方メートルあたり4500~5500円程度ですが、断熱性を高める場合は6000~8000円程度です。

 

まとめ

瓦棒葺きは、金属屋根の施工方法の一つであり、排水性が高く、軽量で施工が簡単というメリットがあります。しかし、木材の腐食やサビの発生、遮音性と断熱性の低さなどのデメリットもあります。これらのデメリットを解消するために進化した縦ハゼ葺きは、耐久性が高く、腐食リスクがないため、長期的なメンテナンスコストを抑えることができます。瓦棒葺きや縦ハゼ葺きの選択肢を理解し、適切な施工方法を選ぶことで、建物の耐久性を高めることができます。


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