瓦屋根は、その美しい外観と耐久性から日本の住宅に広く採用されています。しかし、そんな瓦屋根でも経年劣化や自然災害によって雨漏りが発生することがあります。本記事では、瓦屋根の雨漏りの原因と修理方法について詳しく解説します。これを機に、瓦屋根の維持管理について学びましょう。
瓦屋根について
瓦屋根は、日本の伝統的な屋根材です。粘土系の日本瓦とセメント系のセメント瓦があり、それぞれに特徴があります。
粘土瓦とは
粘土瓦は、日本の伝統的な屋根材であり、高温で焼き上げた粘土から作られます。その特徴は高い耐久性と美しい外観にあり、50年以上の寿命を持つことが一般的です。また、防水性にも優れており、塗装が不要です。特有の銀色を持ついぶし瓦や、多彩な釉薬瓦など、種類も豊富です。
セメント瓦とは
セメント瓦は、セメントを主原料とし、型で成形された屋根材です。防水性を確保するために定期的な塗装が必要で、耐用年数は30年程度とされています。セメント瓦は比較的安価で、均一な仕上がりが特徴です。また、粘土瓦に比べて軽量であり、取り扱いや施工が容易です。
瓦屋根の雨漏りの原因
瓦屋根でも雨漏りは発生します。主な原因は以下の通りです。
瓦のズレや割れ
瓦は強風や衝撃でズレたり割れたりすることがあります。これにより、防水シートに雨水が直接当たり、傷みやすくなります。ズレた瓦や割れた瓦が放置されると、さらに大きなダメージを引き起こし、防水シートや下地材が損傷し、結果として大規模な修繕が必要になることもあります。
防水シートの不良
瓦の下に敷かれている防水シートは、経年劣化や瓦の破損で傷みやすくなります。防水シートの寿命は20年程度とされており、定期的な交換が必要です。また、防水シートが破損すると、雨水が直接内部に浸入し、雨漏りの原因となります。特に、瓦がズレた場合や割れた場合は、防水シートへのダメージが早まります。
土の減少
土葺き工法の場合、瓦の下に敷かれている土が雨水を吸収し、雨漏りを防ぐ役割を持っています。しかし、長年の雨や風で少しずつ流出し、減少すると雨水を防ぎきれなくなります。土が減少すると、防水性能が低下し、雨漏りのリスクが高まります。
雨樋の詰まり
雨樋が詰まると雨水が逆流し、建物内部に浸入して雨漏りの原因になります。定期的な清掃が必要です。特に、落ち葉やゴミが溜まりやすい環境では、こまめな点検と清掃が重要です。雨樋の詰まりを放置すると、屋根や外壁にもダメージを与える可能性があります。
板金部分の劣化
屋根と屋根が交わる谷部や、壁との取り合い部の板金が劣化すると、雨漏りが発生します。板金部分は雨水が集まりやすい場所であり、定期的にメンテナンスが必要です。特に、経年劣化で錆びたり、穴が開いたりすると、そこから雨水が浸入します。板金の劣化を防ぐために、定期的な点検とメンテナンスが重要です。
棟部の破損
棟瓦と瓦の間の漆喰が剥がれると、隙間から雨水が浸入しやすくなります。棟は屋根の中でも要となる部位であり、漆喰の剥がれや棟瓦のずれは雨漏りのきっかけとなります。また、定期的な漆喰の塗り直しも必要です。漆喰の劣化を放置すると、内部の土が流出し、棟瓦の固定が不安定になります。
施工不良
瓦屋根の施工が不適切だと、雨漏りが発生しやすくなります。瓦屋根は構造が複雑で、多くの工法があるため、熟練した職人による施工が肝となります。施工不良は、適切な材料が使用されていなかったり、雨水の流れが考慮されていなかったりすることが原因です。そのため、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
瓦屋根の修理方法
瓦屋根の修理方法は、部分的な補修と全体的な補修があります。
部分的な補修
瓦のズレやひびの場合、コーキングや瓦の交換で対応することが多いです。漆喰の剥がれは、古い漆喰を取り除き、新たに塗り直します。また、板金部分の交換も行います。さらに、部分的な補修は比較的短期間で行え、費用も抑えられるため、早期発見・早期対処が鍵となります。
塗装による補修
セメント瓦の場合は、定期的な塗装が必要です。再塗装の目安は10年程度で、古い塗膜を剥がし、新しい塗装を施します。塗装は瓦の防水性を保つために不可欠であり、塗膜が劣化すると瓦自体の耐久性も低下するため、計画的にメンテナンスしましょう。
葺き替えによる全体的な補修
築年数が経ち、部分的な補修が難しい場合は、葺き替えを行います。屋根材、防水シート、野地板を全て交換します。瓦を新調するか再利用するかは状態を見て判断することが多いです。葺き替えは大掛かりになりますが、屋根全体の寿命を延ばし、新築同様の防水性能を取り戻すことができるというメリットがあります。
まとめ
瓦屋根は耐久性が高い一方で、適切なメンテナンスが必要な屋根剤です。また、雨漏りの原因を把握し、ご自宅に合った修理方法を選択することが重要です。信頼できる業者に相談し、早めの対応を心がけましょう。
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