過去の記事で、棟に歪みやずれが生じた際に必要となる工事「棟の積み直し」についてとり上げました。
今回の記事では棟の積み直しが必要となる症例をより詳しく紹介します。
ご自宅の屋根および棟に関して、お心当たりのある症例があった場合はぜひ一度専門業者にご相談ください。
棟の積み直しがどのような工事なのか、については以下の記事で解説しています。
「棟(むね)」「棟の積み直し」とは
そもそも棟がどこを指すのか、どのような役割を持った部分なのかご存知ない方は以下の記事をご覧ください。
簡単にいうと、屋根のてっぺんで屋根面同士が合わさり山型になっている部分です。
屋根および家にとって非常に重要な部分ですが、屋根のてっぺんという位置特性上経年劣化や突発的トラブルの起きやすいという特徴があります。
この棟を一度解体撤去して、新たな棟を設置する工事が「棟の積み直し」です。
ちなみにこれは「棟の取り直し」とも言います。
棟の積み直しが必要となる症例
漆喰や銅線の経年劣化
瓦屋根における経年劣化の最たるは、漆喰の劣化です。
漆喰はおおよそ10年程度で劣化が始まり、変色→ひび割れ→剥がれといった順に漆喰の状態が変化します。
漆喰の他にも、経年劣化により瓦を固定していた銅線が緩み瓦がずれてしまうこともあります。
劣化の度合によっては補修の形でも間に合うものの、劣化が進行している場合は一度積み直しをしてしまった方が良いケースもあるため、状態に合わせた判断が必要です。
漆喰の経年劣化については、以下の記事で詳しく取り上げています。
地震被害
日本は地震の多い国のため耐震性能の高い家が多いものの、それでも築年数が経過すると大なり小なり地震被害は発生してしまいます。
特に屋根は住宅の中でも最も高い位置にあるため、揺れの影響が出やすい部位です。
地震の影響で棟に歪みやずれが発生することがあります。
台風(強風)被害
屋根は地震だけでなく強風の影響も受けやすいです。
特に棟部分は最上部の突起物であるため風の煽りを受けやすいという特徴があります。
台風時の強風によって瓦が飛散してしまうケースや、反対に強風で飛散したものが屋根に当たって損傷してしまうケースなどが挙げられます。
棟のメンテナンスサインを見逃さないで
漆喰の変色・ひび割れ
瓦屋根は他の屋根材を使用した屋根に比べて非常に耐久性が高いものの、一切メンテナンスフリーというわけではありません。
上述の通り最初に起こる経年劣化は高い確率で漆喰の劣化です。
漆喰は変色→ひび割れ→剥がれといった順番で劣化が進行するため、変色やひび割れといった初期段階で気づくことができれば安心でしょう。
基本的には漆喰に変色やひび割れが起こったくらいで雨漏りなどの壊滅的な問題には至らないですが、放置すると進行する恐れがあるため焦らず放置し過ぎずメンテナンスを実施しましょう。
瓦の破損
具体的には、瓦の亀裂や割れなどです。
瓦は非常に耐久性が高いため滅多なことでは割れないはずですが、万が一破損している瓦を見かけた際はメンテナンスを実施しましょう。
強風で何かが飛んできて瓦に当たり破損した、といった可能性が高いです。
ぱっと見では見えていない範囲でも、破損している瓦があるかもしれません。
銅線の緩みや切れ
これは日常生活を送っていて視界に入る可能性は低いものの、万が一棟の瓦を固定している銅線が緩んでいるもしくは切れていることがわかった場合は、メンテナンスを実施しましょう。
この銅線は丈夫なため簡単に切れるものではないものの、施工してから数十年も経てば劣化し緩み等が発生する可能性は十分にあります。
まとめ
棟は屋根の分水嶺としての役割を持ち、非常に重要な部分です。
定期的なメンテナンスを行い少しでも寿命を伸ばしましょう。
また、定期的なメンテナンスはトラブルの早期発見につながります。
トラブルが小さいうちに見つけることで、修繕の手間も費用も最小限に抑えることができるでしょう。
棟の修理・点検の事なら、屋根の専門家にお気軽にご相談を
どんな些細なご不安でもまずはご相談ください。
お問い合わせエリアに応じて、創業80年以上の実績と経験のある我々が対応させていただきます。
お問い合わせフォームまたは下記電話よりご連絡ください。
東京エリア:株式会社石川商店(03-3785-1616)
神奈川エリア:株式会社いらか(0463-34-3501)
山梨エリア:有限会社一ノ瀬瓦工業(0120-492-901)
(上記エリア以外でも、対応可能な場合もあります)
対応が難しいエリアの場合は信頼できる全国の屋根屋さんを紹介させていただきます。
屋根のてっぺんリフォームとは
東京・神奈川・山梨の創業80年を超える老舗瓦屋3社による、屋根のてっぺんにある棟(むね)についての情報発信サイトです。
建物の中でも非常に重要な役割を持つ棟ですがその認知度は低く、気付いた時には取り返しのつかない事態になった家を瓦屋として多く見てきました。
また認知度の低さを悪用した悪徳業者も増えており、その被害は年々増加しています。
被害を未然に防ぐことが、老舗瓦屋としての使命と思い同じ志を持った3社共同で運営しております。