棟板金(むねばんきん)は、屋根の頂点部分にある金属製の板で、雨水の侵入を防ぐ重要な役割を果たします。この記事では、棟板金の基本知識から劣化の原因、補修方法、DIYのリスク、緊急時の対応まで、詳細に解説していきます。
棟板金の基本知識
棟板金の構造
棟板金は、屋根の頂点部分に位置し、貫板(ぬきいた)と呼ばれる木材の上に取り付けられます。この構造は、屋根の隙間をカバーし、雨水の侵入を防ぐために重要です。棟板金は、屋根材の接合部に対して防水性を確保し、屋根全体の防御力を高める役割を果たします。また、棟板金の設置には、釘やビスを使用し、しっかりと固定されることで、耐久性と安定性を維持します。これにより、屋根全体の寿命が延び、定期的なメンテナンスが簡単になります。
棟板金の役割
棟板金の主な役割は二つあります。一つ目は、雨水の侵入防止です。棟板金は、屋根材の接合部分を覆い、雨水が屋根内部に入るのを防ぎます。これにより、屋根内部の腐食やカビの発生を防ぎ、建物全体の耐久性を向上させます。二つ目は、屋根材の固定です。貫板と共に屋根材をしっかりと固定し、風や地震などによる屋根材のズレを防ぎます。この固定機能により、屋根が安定し、強風や地震に対する耐性が強化されます。
棟板金の寿命と劣化の原因
棟板金の耐用年数
一般的に、棟板金の寿命は15~25年とされています。ただし、使用環境やメンテナンス状況によって異なる場合があります。
劣化の主な原因
- 釘の抜け: 棟板金を固定する釘が抜けることで劣化が進みます。
- 熱膨張と収縮: 日中の熱と夜間の冷えによる膨張・収縮の繰り返しで、釘が徐々に緩んでいきます。
- 強風や台風の影響: 強風や台風によって棟板金が飛ばされることがあります。
- 貫板の腐食: 雨水が侵入することで、貫板が腐食し、棟板金の固定が不安定になります。
棟板金の劣化症状とその影響
釘が抜けることで起こる劣化症状
- 貫板の腐食: 釘が抜けると雨水が貫板に侵入し、腐食が進みます。
- 棟板金の浮き: 釘が抜けることで棟板金が浮き、風でパタパタと音がすることがあります。
- 異音の発生: 風が吹くと棟板金が浮いて異音が発生します。
- 棟板金の飛散: 強風で棟板金が飛ばされると、雨漏りの原因になります。
劣化症状が進行した場合の影響
棟板金の劣化を放置すると、雨漏りのリスクが高まり、家全体の耐久性にも影響を及ぼします。雨水が屋根内部に浸入することで、貫板や他の木材部分が腐食し、構造全体が弱くなります。これにより、修理費用が増大し、最悪の場合、全面的な屋根交換が必要となることもあるため、早めの対策が必要です。
棟板金の補修方法と費用相場
釘打ちコーキング
釘が抜けている場合、釘を再度打ち込み、コーキング材で固定する方法です。
- 工事の流れ
- 抜けた釘を再度打ち込む
- コーキング材で釘頭を固定
- 費用相場: 15,000~30,000円/1軒
- 工期: 半日~1日
貫板の交換
貫板が腐食している場合、貫板を交換します。
- 工事の流れ
- 既存の貫板を撤去
- 新しい貫板を設置
- 費用相場: 6,000~10,000円/m
- 工期: 1~2日
棟板金の交換
棟板金が飛ばされた場合、新しい棟板金に交換します。
- 工事の流れ
- 既存の棟板金を撤去
- 新しい棟板金を設置
- コーキングで固定
- 費用相場: 7,000~12,000円/m
- 工期: 1~2日
その他の諸経費
- 足場代: 150,000円
- 養生代: 40,000円
- 諸経費: 25,000円
- 総費用の目安: 30万円程度
棟板金のメンテナンス
築7年目以降は、定期的に専門業者による点検を受けることが重要です。特に、釘の抜けや棟板金の劣化は、放置すると大きなトラブルにつながります。釘の抜けは、熱膨張と収縮を繰り返すことで徐々に進行します。この現象は金属特有のもので、太陽の熱で膨張し、夜間に収縮するために起こります。釘が抜けることで棟板金が浮き、隙間から雨水が侵入しやすくなり、貫板の腐食や棟板金の飛散につながります。定期的な点検とメンテナンスで、これらの問題を未然に防ぐことができます。また、点検の際には、釘の打ち直しやコーキングの補修など、必要な対策を講じることで、棟板金の寿命を延ばし、家全体の耐久性を高めることができます。定期的なメンテナンスを怠らず、専門業者に依頼することが大切です。
緊急時の対応
棟板金が強風や台風で飛ばされた場合などの緊急時は、迅速な対応が求められます。まずは応急処置として、ブルーシートや防水シートで屋根を一時的に覆い、雨水の侵入を防ぎます。応急処置が終わったら、速やかに専門業者に連絡し、修理を依頼しましょう。専門業者は被害状況を詳しく調査し、必要な修理を行います。自力での修理は危険を伴うため、必ずプロに任せることが重要です。
まとめ
棟板金は、屋根の重要な部分であり、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。専門業者に依頼することで、安全かつ確実に補修が行えます。日頃から棟板金の状態をチェックし、劣化を早期に発見することで、家全体の耐久性を保つことができます。
棟の修理・点検の事なら、屋根の専門家にお気軽にご相談を
どんな些細なご不安でもまずはご相談ください。
お問い合わせエリアに応じて、創業80年以上の実績と経験のある我々が対応させていただきます。
お問い合わせフォームまたはお電話よりご連絡ください。
東京エリア:株式会社石川商店(03-3785-1616)
神奈川エリア:株式会社いらか(0463-34-3501)
山梨エリア:有限会社一ノ瀬瓦工業(0120-492-901)
(上記エリア以外でも、対応可能な場合もあります)
対応が難しいエリアの場合は信頼できる全国の屋根屋さんを紹介させていただきます。
屋根のてっぺんリフォームとは
東京・神奈川・山梨の創業80年を超える老舗瓦屋3社による、屋根のてっぺんにある棟(むね)についての情報発信サイトです。
建物の中でも非常に重要な役割を持つ棟ですがその認知度は低く、気付いた時には取り返しのつかない事態になった家を瓦屋として多く見てきました。
また認知度の低さを悪用した悪徳業者も増えており、その被害は年々増加しています。
被害を未然に防ぐことが、老舗瓦屋としての使命と思い同じ志を持った3社共同で運営しております。