棟板金は、近年その扱いやすさや故に使用されることの増えている建材です。
棟瓦と比較すると少し修理頻度は高くなるものの、修理費用は安く済む傾向にあります。
本記事では、棟板金の修理費用について解説します。
棟板金の修理内容については以下の記事でまとめているため、瓦板金の修理にどのようなものが発生するのかご存知ない方は是非先にこちらをお読みください。
棟板金はトラブルが起こりやすい
棟は、屋根のてっぺんにあるという特性上雨風の影響を受けやすいです。
特に棟板金は金属製のため雨水によって錆びが発生することもあります。
棟板金において発生するトラブルは、釘の浮きや貫板の腐食、棟板金の剥がれ・歪みなどが挙げられます。
棟板金の使用素材が変化したことで耐久性は向上
1900年代頃までは棟板金に使用される金属板はトタンが主流だったため、棟板金は非常に錆びやすく劣化の早いものというイメージを持つ人が多かったでしょう。
しかし2000年代に入ってからは主な使用素材がガルバリウム鋼板に変わり、以前に比べて錆びにも強くなり耐久性が上がりました。
悪徳業者被害に要注意
近年、屋根や棟はトラブルが起きやすい部分であるということを逆手にとった悪徳業者が増えています。
突然訪問してきて屋根の不備を指摘してくる業者は悪徳業者であることが多いためご注意ください。
これについては以下の記事で詳しく紹介しています。
釘の締め直し
最も発生頻度の高い修理です。
金属板を固定している釘が経年とともに浮いてきてしまうため、定期的な締め直しが必要となります。
2~3万円程度が相場です。
貫板の交換
木材でできている貫板は、腐食してしまうことがあります。
既存の棟板金をいったん剥がして劣化した貫板を撤去し新しい貫板を設置し直す工事です。
1㎡あたり0.5~1万円程度が相場です。
棟板金の交換
台風などによって、棟板金自体が飛ばされてしまったり損傷や歪みが発生してしまうこともあれば、築年数が経過して雨水による錆び(経年劣化)が発生してしまうこともあります。
貫板の上に被せている金属板の交換工事です。
1㎡あたり0.7~1.2万円が相場です。
修理費用以外に発生する費用
足場費用
屋根の上での作業のため、修理作業をするにあたって足場の仮設を行います。
これは屋根の形状や素材に関わらず必要なものです。
そのため、基本的には上述の修理費用に加えて足場費用がかかります。
これは1㎡メートルあたり600~800円が費用相場です。
足場仮設を何度も行えばその分費用もかさむため、依頼する工事が複数ある場合は一度にまとめてしまった方がトータル費用を抑えられます。
出張費用
これは依頼する業者と自宅の位置関係にもよります。
修理を行う家から業者の営業所等が遠ければ、出張費がかかるかもしれません。
事前に依頼する業者に確認しておくといいでしょう。
修理にかかる工期
釘の締め直しであれば半日~1日程度、貫板の交換であれば1~2日程度、棟板金の交換であれば1~3日程度かかることが多いです。
尚、屋根全体を葺き替えるとなれば、家の規模で大きく変動するものの2~8日程度かかります。
屋根の修理に保険は適用される?
修理費用には火災保険や地震保険が適用されることもあるため、トラブル発覚時に業者もしくは保険会社に相談してみてください。
メンテナンスを依頼した業者が保険適用に詳しくない可能性もあるため、直接保険会社に問い合わせることが確実です。
保険適用については、適用条件や注意事項含め以下の記事で詳しく説明しています。
まとめ
本記事に記載している費用は、あくまで相場です。
家の形状や規模、トラブルの度合い、業者によっても費用は変わるため細かい部分は修理を依頼する業者にしっかりと確認しましょう。
また屋根や棟の特性を逆手にとった悪徳業者の手口については、以下の記事で詳しく紹介しています。
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東京・神奈川・山梨の創業80年を超える老舗瓦屋3社による、屋根のてっぺんにある棟(むね)についての情報発信サイトです。
建物の中でも非常に重要な役割を持つ棟ですがその認知度は低く、気付いた時には取り返しのつかない事態になった家を瓦屋として多く見てきました。
また認知度の低さを悪用した悪徳業者も増えており、その被害は年々増加しています。
被害を未然に防ぐことが、老舗瓦屋としての使命と思い同じ志を持った3社共同で運営しております。