以下の記事で、日本でよく見かける主要な屋根の形状を紹介しました。
主要と言っても結構な種類があるものの、実はまだ紹介していない屋根形状があるのです。
本記事では、少し珍しい屋根形状を紹介します。
屋根の形は棟の構造で決まる
屋根の形は「棟(むね)」の構造によって決まると言っても過言ではありません。
棟の構造とは、具体的には大棟の有無や隅棟の本数などです。
こだわりたい人向け!少し珍しい屋根の形
半切妻屋根(はんきりづまやね)
切妻屋根の妻側の角を面取りするように小さな屋根面を設けた屋根です。
「兜屋根」「袴腰屋根」「ドイツ屋根」とも呼ばれます。
ちなみにドイツ屋根とも呼ばれる理由は、ドイツの古い建築物によく見られる屋根形状であるためです。
建築基準法で高さ斜線制限がある場合、半切妻屋根にして高さを調節する事によって室内面積をほぼ変えずに家を建てることが出来ます。
道路斜線制限に合わせて建物を後退させたり、2階の間取りを少なくしなくて済むことは大きなメリットです。
ただし棟やつなぎ目が多い分、シンプルな構造の屋根よりも雨漏りのリスクは高まります。
バタフライ屋根
屋根の端が高く、中央が低い形状の屋根です。
モダンな雰囲気となり、デザイン性の高い高級住宅などで使われます。
ただし中央に雨や雪が溜まるため、雨漏りしないようきちんとした排水処理と、積雪のある地域では雪の重さに耐えられる強度が必要です。
また、コストが高額になる傾向にあります。
越屋根(こしやね)
切妻屋根の上に切妻屋根が乗ったような形の屋根です。
一般的な戸建住宅に用いられることは少ないものの、断熱性や通気性に優れています。
また屋根に近い外壁に採光窓が付けられるため、室内に自然光を取り入れやすいです。
採光窓は屋根の立ち上がり部分に設置でき直接雨風にさらされないため、天窓に比べて劣化が遅いです。
ただし棟やつなぎ目が多い分、コストが高額になりシンプルな構造の屋根よりも雨漏りのリスクは高まります。
腰折屋根(こしおれやね)
切妻屋根が途中で折れたような形の屋根です。
「ギャンブレル屋根」とも呼ばれます。
丸みを帯びているため優しくかわいらしい印象となり、古い洋館などで見られます。
他の屋根と比べて屋根が膨らんでいるような形状のため、天井が少し高く感じられるかもしれません。
【番外編】一般住宅では見かけない屋根の形
錣屋根(しころやね)
寄棟屋根の上に切妻屋根が乗ったような形の屋根です。
一般的な戸建住宅に用いられることはほとんど無く、寺院などによく見られます。
日本建築ならではの独特の形状によって醸し出す厳かな雰囲気は、他の屋根形状との大きな違いでしょう。
ただし棟やつなぎ目が多い分、シンプルな構造の屋根よりも雨漏りのリスクは高まります。
のこぎり屋根
片流れ屋根が2つ以上平行に並んだ、のこぎりの歯のような形状の屋根です。
一般的な戸建住宅に用いられることはほとんど無く、広い工場などで用いられます。
屋根の向きを北側にすると、光量の変動を少なくできるので明るさを長時間保つことができます。
ただし凹んでいる部分に雨水が溜まりやすいため、雨漏りしないようきちんとした排水処理が必要です。
まとめ
あまり人と被らない屋根を選びたい方や、一般住宅に使用されない屋根形状を知りたい方に向けた記事でした。
ここに書ききれていない屋根形状や、複数の屋根形状を組み合わせたようなものも存在します。
実際に家を建てる際は、屋根の形状をどのようなものにするか迷うと思いますが、その際は是非信頼できる屋根屋さんに相談してみてください。
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屋根のてっぺんリフォームとは
東京・神奈川・山梨の創業80年を超える老舗瓦屋3社による、屋根のてっぺんにある棟(むね)についての情報発信サイトです。
建物の中でも非常に重要な役割を持つ棟ですがその認知度は低く、気付いた時には取り返しのつかない事態になった家を瓦屋として多く見てきました。
また認知度の低さを悪用した悪徳業者も増えており、その被害は年々増加しています。
被害を未然に防ぐことが、老舗瓦屋としての使命と思い同じ志を持った3社共同で運営しております。