瓦屋根において欠かせないもののひとつが「漆喰(しっくい)」です。
漆喰は日本建築において古くから使われてきた伝統的な建材で、その歴史は数千年に渡ります。
瓦屋根において漆喰が持つ役割は多く、魅力の多い建材でもあります。
本記事では、漆喰の歴史と瓦屋根における役割、そして漆喰に関するトラブルを減らすために大切なことを紹介しています。
「漆喰(しっくい)」とは
漆喰とは、石灰石を焼いたものに水を加えた消石灰に糊やスサを加えて、水で練ったものです。
主に屋根のてっぺん「棟(むね)」に使用されるもので、棟の土台部分に見える半月型の白い部分です。
瓦屋根の棟部分は、瓦と瓦の隙間を漆喰で埋めています。
漆喰の歴史は古い
日本での漆喰の歴史は、今から1300年程前までさかのぼると言われています。
防火性や調湿性に優れていることから、神社仏閣や豪商の家に使われはじめました。
室町時代末期から江戸時代初期にかけて城郭にも使用されるようになり、明治時代以降西洋建築が増えてからも継続して使用され続けました。
そして現在でも瓦屋根においては機能面でも美観面でも欠かせない存在となっています。
漆喰が持つ3つの役割
瓦の固定
棟瓦と熨斗瓦の隙間を埋めて、瓦をしっかりと固定します。
雨水の侵入防止
上述の通り隙間を埋めることで、雨水が棟の内部に侵入することを防ぎます。
美観の向上
実は昨今において漆喰の主たる役割はこの三つ目なのです。
現在の棟瓦は主に金属でできた金具で固定されているため、漆喰がなくても瓦がずれたりすることはほとんどありません。
また屋根の下地にはルーフィング材と呼ばれる防水シートが貼られているため、漆喰が多少剥がれた程度では雨漏りには直結しません。
しかし漆喰は棟瓦をより美しく格式ある仕上がりにするために重要な役割を果たしているのです。
漆喰は経年劣化する
漆喰は一度施工したら半永久的に状態を維持できるものではなく、施工から10年程度で経年劣化が始まります。
その結果起こることは、漆喰の欠けや剥がれ、変色などです。
漆喰が経年劣化すると具体的にどのようなことが起きるのか、トラブルが発生した場合どのような修繕が発生するのは、以下の記事で詳しく紹介しています。
定期的なメンテナンスが大切
瓦自体は基本的には経年劣化しません。
しかし漆喰の経年劣化に合わせて、瓦屋根は10~20年に1度程度はメンテナンスを実施することが望ましいです。
定期的なメンテナンスを行うことによって、トラブルや修繕を最小限に抑えることできます。
まとめ
漆喰の歴史はとても長く、伝統的な日本式家屋に必要不可欠なものです。
また、特有の風格を醸し出す重要な要素のひとつと言えるでしょう。
上述の通り定期的なメンテナンスを行い、万が一トラブルが起きた場合には早期発見することが大切です。
トラブルを発見し修繕するにあたり気になることといえば、費用かと思います。
以下の記事で解説しているため、宜しければご覧ください。
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