過去の記事で、屋根棟の漆喰（しっくい）の劣化事例やその修理内容について紹介しました。
次に気になる点は、費用についてでしょう。
瓦屋根は修理に高額な費用がかかることも多いため、不安を感じる方も多いと思います。
本記事では、屋根棟の漆喰の修理に関する費用を解説します。
屋根棟の漆喰の劣化と修繕方法
簡単に言うと屋根棟の漆喰の劣化は「欠け・ヒビ割れ」「変色・コケ」「剥がれ」のいずれかであることが主です。
基本的には劣化が起こった場合、漆喰の塗り替えを行います。
塗り替えにも種類があるため、専門業者に見てもらい劣化の度合いに合わせた修繕をしてもらいましょう。
詳しくは以下の記事に記載しています。
屋根棟の漆喰の修繕費用の相場
修繕費用に影響する要因
修理費用は漆喰の施工箇所にも左右されます。
漆喰は主に棟瓦（むねがわら）に施工され、具体的な施工箇所は「三日月の部分（写真左）」と「鬼瓦まわり（写真右）」です。
三日月部分の修理費用は面積に左右され、鬼瓦部分は基本的に1か所につき〇円という価格設定が多いでしょう。
屋根棟の漆喰の塗り替え
注意事項としては、三日月部分は棟瓦の両面にあります。
したがって片面あたり下記修理費用がかかるため、総額はこの2倍です。
尚、棟瓦がどこを指すのかわからない方は以下の記事をご覧ください。
塗り重ねるケース
既存の屋根棟の漆喰に重ね塗りするため、修理費用は比較的安価で済みます。
修理費用は2,000～4,000円/㎡～が相場です。
塗り直すケース
既存の屋根棟の漆喰を一度取り除き、新たな漆喰を塗り直す方が当然塗り重ねるケースよりも修理費用は高額となります。
修理費用は5,000～8,000円/㎡が相場です。
修繕費用以外に発生する費用
足場費用
屋根の上での作業のため、修理作業をするにあたって足場の仮設を行います。
これは屋根の形状や素材に関わらず必要なものです。
そのため、基本的には上述の修理費用に加えて足場費用がかかります。
これは1㎡メートルあたり600～800円が費用相場です。
足場仮設を何度も行えばその分費用もかさむため、依頼する工事が複数ある場合は一度にまとめてしまった方がトータル費用を抑えられます。
出張費用
これは依頼する業者と自宅の位置関係にもよります。
修理を行う家から業者の営業所等が遠ければ、出張費がかかるかもしれません。
事前に依頼する業者に確認しておくといいでしょう。
屋根棟の漆喰の修繕費用が高額な理由
最大の理由は、職人の希少さにあります。
金属屋根のコーキングと比べると、瓦屋根の漆喰はきちんと仕上げることのできる職人が少ないのです。
屋根棟の漆喰をきちんと仕上げるためには、瓦に加えて左官の知識や技術、経験を備えていなければいけません。
職人の育成には時間がかかり、人数が少ないため人件費が高額となってしまうのです。
しかしながら漆喰は厚みの調整も難しく、技術が不十分な職人が施工をした場合漆喰が薄すぎるもしくは厚すぎるといった状態になる可能性があります。
また、外観だけの問題ではなくすぐに剥がれてしまう可能性もあります。
屋根棟の漆喰が劣化した場合急いで修繕が必要？
屋根棟の漆喰は劣化したからといって「急を要して修理しなければいけない」「一刻も早く修理しなければ雨漏りしてしまう」というものではありません。
近年こういった不安を煽る形で修理を強引にすすめる悪徳業者被害も増えているため、漆喰の劣化に気付いた際はゆっくり慎重に修理および依頼する業者をご検討ください。
悪徳業者被害については以下の記事で説明・注意喚起を行っています。
まとめ
平均的な一戸建ての住宅で、仮設足場を含め約25万円ほどかかるケースが多いです。
屋根棟の漆喰を綺麗に仕上げるという作業は、熟練の職人の技術が必要となるため修理を依頼の際は是非、信頼のできる屋根屋さん・瓦屋さんを探しましょう。
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