以下の記事で屋根のてっぺんにある「棟」とはなにかについて紹介しました。
名称や役割について記載しているため、是非ご覧ください。
本記事では、上記の記事で紹介した棟に使用される建材について素材ごとの特性を説明します。
棟(むね)の素材
瓦屋根の「棟瓦(むねがわら)」
棟瓦とは
棟瓦とは、棟をつくる際に使用される瓦を指します。
和瓦屋根を葺く際は、棟部分に熨斗瓦(のしがわら)を数段積み上げ最上段に棟瓦を重ねます。
積み上げた熨斗瓦の上から覆いかぶせるように重ねることで、雨水の侵入を防いでいるのです。
これを「棟積み(むねつみ)」と言い、雨水対策になるだけではなく和瓦屋根特有の佇まいや風格をつくり出しています。
トラブルとメンテナンス
棟瓦は費用が高額になり工期も長くなるものの、劣化が遅くメンテナンス頻度は少なく済む傾向にあります。
起こりやすい修繕としては、ずれてしまった漆喰の再塗装や瓦の積み直しなどが挙げられます。
尚、修繕については以下の記事でより詳しく記載しています。
瓦の耐用年数は50年以上と言われており、非常に耐久性に優れているため基本的に瓦自体は経年劣化しません。
ただし上述の漆喰の劣化に合わせて10~20年に1回程度のメンテナンスを推奨します。
板金屋根の「棟板金(むねばんきん)」
棟板金とは
棟板金とは、棟をつくる際に使用される金属製の板を指します。
日本で最も普及率の高い屋根であるスレート屋根や金属屋根には、この棟板金が使用されています。
屋根の頂上部分を「貫板(ぬきいた)」という板でおさえた上に金属板を被せる、という構造です。
1900年代頃まではこの金属板に使用される素材はトタンが主流だっため、棟板金は錆びやすい・劣化しやすいといったイメージを持つ人も多かったでしょう。
しかし2000年代に入ってからは主な使用素材がガルバリウム鋼板に変わり、錆びにも強くなり耐久性が上がりました。
トラブルとメンテナンス
この棟板金は釘やビスで固定されており、これらが浮いてきてしまうことが劣化原因のほとんどです。
尚、修繕については以下の記事でより詳しく記載しています。
棟板金は扱いやすさ故に工期は短いものの、棟瓦に比べると劣化が早くメンテナンス頻度は多くなる傾向にあり、耐用年数は15~25年と言われています。
そのため7~10年に1回程度のメンテナンスを推奨します。
まとめ
地震が起きてから大慌てすることのないよう、定期的にメンテナンスを行いましょう。
メンテナンスは、信頼できる屋根屋さんや瓦屋さんにご相談ください。
ただし突然訪問してきて屋根の不備を指摘してくる業者は悪徳業者であることが多いためご注意ください。
悪徳業者被害については、以下の記事で詳しくまとめています。
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屋根のてっぺんリフォームとは
東京・神奈川・山梨の創業80年を超える老舗瓦屋3社による、屋根のてっぺんにある棟(むね)についての情報発信サイトです。
建物の中でも非常に重要な役割を持つ棟ですがその認知度は低く、気付いた時には取り返しのつかない事態になった家を瓦屋として多く見てきました。
また認知度の低さを悪用した悪徳業者も増えており、その被害は年々増加しています。
被害を未然に防ぐことが、老舗瓦屋としての使命と思い同じ志を持った3社共同で運営しております。