屋根の軒先ってどこ?意外と知らない名称や役割、種類、修理・リフォームまで徹底解説!

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はじめに

家の外観を大きく左右する屋根。屋根の各部位にはそれぞれ名称があり、重要な役割を担っています。

今回は、屋根の中でも特に目につきやすい「軒先」部分に焦点を当て、その名称や役割、そして軒先部分の破損が起こる原因や修理・メンテナンス方法について詳しく解説していきます。

屋根の軒先とは?

軒先とは、屋根の端の部分で、外壁から外側に水平に突き出した部分のことです。屋根の「額縁」のような役割を果たしており、雨や日光から家を守る役割を担っています。

軒先は、屋根の構造や形状によって様々な種類があり、それぞれに特徴があります。

軒先の各部位の名称

軒先は、いくつかの部位に分かれており、それぞれに名称があります。主な部位は以下の通りです。

 

  • 鼻隠し
    軒先の先端部分を覆う板材のことです。雨樋を取り付ける役割も担っています。 鼻隠しの素材には、耐久性、耐候性、美観などの観点から、木材、塩化ビニル樹脂、ガルバリウム鋼板などが用いられます。 
  • 破風板
    屋根の妻側の斜めの部分に張られた板材のことです。屋根の内部への雨水の侵入を防ぎ、屋根の強度を高める役割があります。 破風板の素材には、木材、窯業系サイディング、金属サイディングなどが用いられます。 
  • 軒天
    軒先の下側の部分のことです。天井材と同じように、断熱材や内装材が張られることもあります。 軒天の素材には、木材、ビニールサイディング、ファイバーセメントサイディングなどが用いられます。 軒天の主な役割は屋根裏を隠し、外観を整えることです。 
  • 垂木
    屋根の構造を支えるための斜めの部材のこと。軒先を支える役割も担っています。 垂木の素材には、木材、鉄骨などが用いられます。

軒先の役割

軒先には、以下のような役割があります。

  • 雨水の侵入を防ぐ
    軒先は、雨水が外壁に直接当たらないようにすることで、外壁の劣化や雨漏りを防ぐ役割があります。 
  • 日差しを遮る
    軒先は、夏の日差しを遮り、室内温度の上昇を抑える効果があります。冬は、太陽の高度が低くなるため、日差しを室内に取り込むことができます。 これにより、冷暖房効率を高め、省エネにも貢献します。 
  • 建物の外観を美しくする
    軒先は、建物の外観の印象を大きく左右する要素の一つです。軒先の形状や素材によって、和風、洋風など、様々な雰囲気を演出することができます。 
  • 外壁を保護する
    軒先は、外壁に直接日光が当たらないようにすることで、外壁の劣化を防ぐ役割があります。

軒先の形状と種類

軒先は、屋根の構造や形状によって様々な種類があります。主な種類は以下の通りです。

  • けらば軒
    切妻屋根の妻側の軒先のこと。必ずしも破風板が取り付けられているとは限りません。 
  • 庇(ひさし)
    窓や玄関の上部に取り付けられた小さな屋根のこと。雨や日差しを遮る役割があります。 
  • 広がり軒
    軒先が外側に広がっている形状。 伝統的な日本家屋によく見られる形状で、雨水を効果的に排出することができます。 
  • 箱軒
    軒先が垂直に切り落とされた形状。 モダンな住宅によく見られる形状で、シャープな印象を与えます。

軒先の破損原因と修理・メンテナンス方法

軒先は、雨風や日光に常にさらされているため、経年劣化や外的要因によって破損することがあります。主な破損原因は以下の通りです。

 

  • 雨漏り
    軒先の破損によって雨漏りが発生することがあります。 雨漏りは、屋根の構造材を腐食させたり、建物の耐久性を低下させる原因となります。 
  • 強風
    台風などの強風によって、軒先が破損することがあります。 特に、台風が多い地域では、強風対策が重要となります。 
  • 積雪
    多量の積雪によって、軒先が破損することがあります。 積雪が多い地域では、屋根の形状や勾配を工夫することで、積雪による破損を防ぐことができます。 
  • 経年劣化
    長年の使用によって、軒先の部材が劣化し、破損することがあります。 定期的なメンテナンスを行うことで、経年劣化による破損を防ぐことができます。

軒先に破損が見つかった場合は、早めに修理・メンテナンスを行う必要があります。主な修理・メンテナンス方法は以下の通りです。

 

  • 塗装
    軒先の塗装が剥がれている場合は、塗り替えを行うことで、防水性を回復することができます。 塗装は、美観を維持するためにも重要です。 
  • 板金の交換
    軒先の板金が腐食している場合は、新しい板金に交換する必要があります。 板金の交換は、専門業者に依頼することをおすすめします。 
  • 雨樋の修理
    軒先に取り付けられている雨樋が破損している場合は、修理または交換する必要があります。 雨樋の破損は、雨漏りの原因となるため、早めの対応が必要です。

軒先のリフォーム

軒先のリフォームを行うことで、建物の外観を向上させるだけでなく、機能性を高めることもできます。主なリフォーム方法は以下の通りです。

  • 軒天の張り替え
    軒天を張り替えることで、建物の外観を一新することができます。 断熱材入りの軒天に張り替えることで、断熱性を高め、省エネ効果も期待できます。 
  • 破風板の交換
    破風板を交換することで、建物の外観を一新することができます。 耐久性の高い素材の破風板に交換することで、メンテナンスの手間を減らすこともできます。 
  • 軒樋の交換
    軒樋を交換することで、雨水の排水効率を向上させることができます。 近年では、デザイン性の高い軒樋も登場しており、建物の外観に合わせて選ぶことができます。

軒先のデザインと外観

軒先は、建物の外観を大きく左右する要素の一つです。軒先の形状や素材、色によって、和風、洋風、モダンなど、様々な雰囲気を演出することができます。

例えば、和風住宅では、広がり軒や深い軒の出が特徴的です。軒天には、木目調の素材や格子が用いられることが多く、落ち着いた雰囲気を醸し出します。一方、洋風住宅では、箱軒や庇が用いられることが多く、軒天には、白や薄い色の塗装が施されることが多いです。

近年では、軒先にアクセントカラーを取り入れたり、間接照明を設置するなど、デザイン性の高い軒先も増えています。

軒先と換気

軒先は、屋根裏の換気にも重要な役割を果たしています。軒天に設置された換気口から外気を取り込み、屋根裏の湿気や熱気を排出することで、結露やカビの発生を防ぎ、建物の耐久性を維持することができます。

軒天の換気口には、様々な種類があります。スリット状のもの、丸型のもの、ガラリ状のものなど、建物のデザインや構造に合わせて選ぶことができます。

軒先の素材

素材 メリット デメリット メンテナンス方法
木材 自然な風合い、温かみがある 腐食しやすい、シロアリ被害のリスクがある 定期的な塗装が必要
塩化ビニル樹脂 耐久性が高い、メンテナンスが容易 熱に弱い、経年劣化で変色することがある ほとんどメンテナンス不要
ガルバリウム鋼板 耐久性が高い、耐候性が高い、軽量 価格が高い ほとんどメンテナンス不要

まとめ

今回は、屋根の軒先部分の名称や役割、種類、修理・リフォームまで詳しく解説しました。軒先は、雨や日光から家を守る重要な役割を担っているだけでなく、建物の外観や屋根裏の換気にも大きく関わっています。

軒先に破損が見つかった場合は、早めに修理・メンテナンスを行うようにしましょう。また、定期的な点検と清掃を行うことで、軒先を長持ちさせることができます。